米子市美術館で開催中の「大広重展~東海道五拾三次と雪月花 叙情の世界」(米子市、新日本海新聞社など主催、山陰酸素グループ特別協賛)では、浮世絵風景画の名手・歌川広重が手がけた美人画も展示され、来館者の目を引き付けている。
諸国の遊女を描いた「美人風俗合」シリーズなど初期の作品と、大判3枚続きで江戸の名所を背景にすらりとした粋な女性を描いた晩年の作品などが並ぶ。同展監修者の中右瑛さん(国際浮世絵学会常任理事)は「顔を見たら広重と分かる独特の美人相がある。美人画を描いても風景画になっている」と解説する。
美人画に見入っていた八頭町の男性(35)は「広重には風景画のイメージしかなかったが、美人画もいい絵を描いている。一つの作品で風景画と美人画が2倍楽しめる」と話した。
同展では「雪月花~絵師たちが描いた叙情の世界」と題し、歌川国貞や勝川春扇など他の浮世絵師の美人画も紹介している。会期は5月22日まで。