中国旅行者が鳥取に熱視線-。昨年3月~今年2月に、中国のSNS「微博(ウェイボ)」で「日本旅行の楽しみ方」と合わせて投稿されたキーワードのうち、「鳥取」が3位にランクインした。関係者は地道な情報発信の成果を誇り、交流促進の加速に向けて士気を高めている。
調査は同国を中心にプラットフォームサービスなどを展開する企業「NOVARCA]が実施。「東京」(133件)、「小衆(ニッチ=隙間の意)」(111件)に続き、「鳥取」は3位(90件)となった。7位の「京都」(44件)や10位の「大阪」(37件)を上回る結果に、県国際観光誘客課は「コロナ禍前から続ける情報発信の成果」と胸を張る。
県は同国で大きな影響を持つ微博や中国系通信アプリ「微信(ウィーチャット)」に加え、昨年2月に若者から高い支持を得ているSNS「小紅書(シャオホンスウ)」に、日本の自治体として初めて公式アカウントを開設。同6月に着任した国際交流員の徐堯(じょぎょう)さんが情報更新を担ってきた。
徐さんの努力もあり、フォロワー数は順調に増加。今年4月18日現在で約9700人に達した。4分の3が女性で、メイン層の25~34歳代は全体の36%に上る。小紅書での知名度向上が、微博での投稿にもつながったとみられる。
小紅書はAIが写真映えや投稿内容を判断し、高評価だと露出が高くなる仕様。徐さんは在住外国人の視点で、母国の観光客に“刺さる”ための旬な話題の発信を心がけており「鳥取の知名度が上がってうれしい」と声を弾ませる。
同課はランキングでニッチを意味する「小衆」が2位に入ったことを引き合いに出し、中国人観光客の形態変化を指摘。「日本同様に密を避け、キャンプなど少人数で屋外で楽しむ観光が人気。自然豊かな鳥取が脚光を浴びている」と分析する。引き続き情報発信に努め、米子-上海便の復活という目標に注力する考えを示した。