極楽往生を願い合掌 四天王寺「日想観」

 「春分の日」の21日、大阪市天王寺区の和宗総本山四天王寺(加藤公俊管長)で、夕日に極楽浄土を思う伝統行事「日想観」が厳かに行われた。朝からあいにくの曇天で夕日は見られなかったが、集まった多くの参詣者が極楽往生を願って西の空に手を合わせた。

 古来、同寺境内の西門は極楽浄土の東門に通じるとの信仰にちなむ行事。1年のうち春・秋の彼岸の中日にのみ、境内真西の石鳥居(いしのとりい)(重要文化財)と落陽が重なることで知られており、真言宗の開祖、弘法大師空海もここで修行したと伝わる。

 夕刻に西大門(通称「極楽門」)で法要が執り行われ、同寺僧侶の読経に合わせ、参列した参詣者も般若心経などを唱えた。

 同寺の南谷恵敬執事長は法話の中で日想観の由来などを解説。「雲の中にあるはずの夕日を心の目で見ていただきたい」と話した。

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