「倫理」観点からコロナ禍を考察 「ワクチンの境界」出版

 新型コロナウイルスやワクチンを「倫理」の観点から考察する単行本「ワクチンの境界」が出版された。国内で感染者が初めて確認されてからの3年間は、一体何に苦しんでいたのか、何が起こっていたのか。冷静に考察する一冊だ。

 著者は大阪府在住、神戸大教授の國部(こくぶ)克彦氏。本書はワクチンの是非を問うものではなく、一つの「正しい考え方」を基に全体をまとめ、その考え方に従う人々と従わない人々との間に引かれた境界線について語っている。

 その境界線によって苦しめている正体は一体なんなのか、どうすればそれを克服できるのか。また、ワクチン接種を巡る国民一人一人の態度や向き合い方は正しかったのだろうか。自分の意思で、自分の行動を決めただろうか。「軽々しく物事を信じることは悪であり、罪である」(英国の哲学者ウィリアム・クリフォード)など世界中の哲学者の言葉を引用しつつ、客観的に紹介。発売から4カ月経過したが、読者からは「人生の指南書」などの声が寄せられている。

 國部教授は「本来、私たちはマスクやワクチンを巡ってもっと自由に判断し、行動してよいはずだが、それがどうしてこんなに難しいのか。それは私たちの倫理観の中に権力が侵入してきているからだ」と話している。

 アメージング出版、247ページ、1760円(税込み)。

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