戦国~江戸時代に活躍した天台宗の僧侶・豪円(ごうえん)をテーマにした講演会が16日、大阪市北区の鳥取県関西本部であった。豪円の故郷、同県米子市から「紙芝居プロジェクト 伯耆・伝承隊」の隊長、高橋幸男さん(75)と、事務局長の吉島潤承(じゅんしょう)さん(78)が来阪。紙芝居の上演も交えて三山(大山寺、延暦寺、備前金山寺)を復興した名僧の偉業をたたえた。
鳥取県の歴史文化や産業など多彩な分野から識者を招く月例講演会「鳥取学出前講座」(大阪鳥取県人会、同本部共催)として開いた。
吉島さんは、紙芝居を通じて郷土史を顕彰する活動の歩みをはじめ、2018年の「大山開山1300年祭」では作品がひときわ注目されたエピソードを紹介した。
豪円とともに大山寺の歴史に名を刻む「五大名僧」とされる金蓮上人、慈覚大師円仁、基好上人、台貫大僧都の功績に触れた後、紙芝居「豪円和尚」を上演。大山寺や延暦寺の再建などを経て、晩年に至る壮大な一代記を名調子で語り、「豪円和尚は現在の大山寺をどのようにご覧になっているか。和尚の志を思い永遠の発展を願いたい」と思いを込めた。
このほか豪円の大河ドラマ化を願って機運を盛り上げていることも報告。来場した県人会員らに協力を呼びかけた。