大阪で3年に1度行われる室内楽の国際大会「大阪国際室内楽コンクール&フェスタ」(日本室内楽振興財団主催)が5月12~18日、大阪市中央区の住友生命いずみホールなどで行われる。これまでで最も多くの応募団体の中から選出された33団体が集う。「非常に水準の高い演奏が期待できる」と堤剛コンクール審査委員長らは開催を心待ちにする。
若い奏者で編成するアンサンブルを対象としたコンクール部門に加え、楽器や年齢不問で2~6人編成の器楽アンサンブルによるフェスタ部門も同時に行っているユニークな室内楽コンクール。1993年の第1回から今年で30年目を迎え、今では世界7大室内楽コンクールと評され、各賞受賞を機に世界で活躍する団体も多い。
今回の第10回は2020年に開催予定だったが、コロナ禍で中止になったため、当初のコンセプトを継承して新たに参加団体を募集。世界34国から161団体の応募があり、予備審査を経て33団体が決まった。コンクール第1部門「弦楽四重奏」に10団体、第2部門「ピアノ三重奏」「ピアノ四重奏」に11団体、フェスタ部門に12団体が出場する。
今回新たに、コンクールの審査員に過去の優勝団体のメンバーから3人を招聘(しょうへい)する。また海外の室内楽コンクールなどと提携し入賞後のキャリアも支援する。
フェスタの審査は呉信一審査員長と河野正孝副審査員長、そして事前公募の一般審査員による。富山県と三重県の2会場で第1ラウンドを行い、いずみホールでのセミファイナル&ファイナル出場団体を決める。
堤コンクール審査委員長は「音楽の原点を学ぶのに一番適したのは室内楽」と言い、30年を経て「権威のある室内楽コンクールだと世界的にも認められるようになった。今回もフェアで教育者としても優れた先生方を審査員にお招きできた」と胸を張る。
地域との協働プログラムとして、15日に読売テレビ、15~17日に今福音楽堂で参加団体によるコンサートを開催。入賞団体の披露演奏会は19日、住友生命いずみホールである。