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光触媒技術でオーラルケア 半導体内蔵歯ブラシ「ソラデー」シリーズ 販売累計1600万本突破

あきない見聞録

 オーラルケア商品の開発を手がけて40年以上。独自の光触媒技術で口内環境を整える歯ブラシ「ソラデー」シリーズは、本体のみで販売累計1600万本を超える。持続可能な開発目標(SDGs)を意識した商品開発にも積極的で、池尻誉広代表(49)は「オーラルケア商品を通じて社会貢献にチャンレジしていく」と力強い。

 ソラデーは、歯ブラシのネック部分に酸化チタン(TiO2)半導体、グリップ部分にソーラーパネルを搭載する。酸化チタンは光触媒作用で、ソーラーパネルは光エネルギーでそれぞれ電子を発生。電子の働きでブラッシング時に効果的に歯垢を除去し、ブラッシング後も細菌の増殖を抑制するのが特徴だ。

 この半導体内蔵歯ブラシは創業時の1981年から発売し、継続的に改良を加えてきた。ソラデー2(86年)で当時としては画期的だったブラシ交換式を採用、ソラデー3(2004年)からはソーラーパネルを搭載する。

 昨年11月に発売した最新のソラデー5(2750円)は、電子がより伝わりやすくなるようソーラーパネル採光部の面積を従来品から50%アップ。握る部分にあたる導電部には緩やかな膨らみを付けて持ちやすくした。

 商品開発を支えるのが、確かなエビデンス(科学的根拠)。歯学分野や理工科学分野の専門家らと研究に力を入れており、現在も大阪大や日本歯科大東京短期大、神奈川歯科大との共同研究を進めている。

 また、消耗品を扱うメーカーとして“持続可能な社会”に対する意識は高い。2011年にはセット品およびスペアブラシ全種がエコマークの認定を受け、「ソラデーシリーズ包装は順次FSC認定紙採用」「PETトレイ80%再生品採用」など取り組みを進めている。

 池尻代表は「大きなコマーシャルなどはしていないので、使った人が効果を感じ、口コミで広げていただいたおかげ」と、ソラデーのロングセラーを分析。「口腔(こうくう)内をきれいにして歯を丈夫に保つことが、豊かな人生を過ごす上で大きなポイントになっている。そういった意味で、シケンの商品は社会に大いに貢献できる」と胸を張った。

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