大阪市住吉区の住吉大社で3日、伝統行事「松苗神事」に合わせて「住吉三葉松」の植樹式が執り行われた。2018年の台風21号で被害を受け長らく失われていたが、真言宗開祖・弘法大師(空海)が縁で復活に至り、多くの関係者が笑顔で式に臨んだ。
弘法大師は804年、遣唐使船で唐へ赴く前、住吉大神に航海の安全祈願をしたという縁がある。今回の植樹は、大師の生誕1250年の節目に合わせ、住吉大社と高野山を線路でつなぐ南海電鉄の後援を得て実現。高野山根本大塔前の三葉松「三鈷(さんこ)の松」と同種の松が奉納された。
松は正面参道脇の玉垣内に植樹され、式では神職のお払いに続いて関係者代表が除幕。玉垣に名前を刻んだ寄進者らが記念撮影する姿も見られた。
植樹に先立ち、境内第一本宮前では松苗神事を斎行。松苗の献木や俳句の献詠、神楽奉奏などが厳かに繰り広げられた。