日常に困り感を感じる保護者と子どもの支援に取り組む「Mao(マオ)」は、就学児童対象の放課後等デイサービスと未就学児対象の児童発達支援を行っています。

 

境港にある放課後等デイサービスMao

境港にある放課後等デイサービスおよび発達支援事業所「Mao」を訪問しました。ここでは、知的障がいや発達障がいを持つおよそ20人のこどもたちが、学校の終わった後や夏休みなどの長期休暇中に通っています。単に子どもを預かるだけでなく、自立した生活を送る力を育むことを目指しています。

 

 

実際に図書館にいき、マナーを学ぶ。(Maoインスタグラムより)

例えば、お出かけで図書館に行き、貸出方法や静かに過ごすマナーを学んでいます。今年の夏休みには、子どもたちの希望でお泊まり会を企画し、災害時の避難生活を想定した集団生活の練習をしました。

 

普段はのびのび遊べる広いフリールームでは、親子イベントや保護者勉強会なども行われている。

また、年に一度開催される「Maoカフェ」では、子どもたちが揃いのエプロンをつけて、本物のレジを使い、店員さんとお客様ごっこを楽しんでいます。さらに、「Maoマルシェ」というイベントも開かれ、地域の皆さんに障がいについて知ってもらう機会を提供しています。

 

 

日常の掃除などから、できるだけ自立した生活を送れるようになるための活動に取り組んでいる。

子どもたちの中には、落ち着きがないと怒られたり、言葉が出せずに暴れてしまい周囲から理解されず、自己肯定感が低い子が多いそうです。そこで、MAOでは「今日頑張ったこと」を子どもたちが自己申告し、それをスタッフ全員で喜び、褒める取り組みを行っています。「失敗は賢くなるためのステップ。どんな子でも”できること”は増やせます」(代表の松下弘美さん)

 

社会に存在する4つの障壁(バリア)

近年、16人に1人が何らかの障がいを持つと言われています。障がい者にとって、社会には4つのバリア(障壁)が存在します。それは物理的なバリア、制度的なバリア、情報のバリア、そして心のバリアです。

 

人権教育研修会で講演する代表の松下弘美さん

代表の松下弘美さんは、無関心や過剰な扱い、偏見や差別といった「心のバリア」などを無くすためには、まずは障がいを知ってもらう事からと考え、講演や勉強会を積極的に行っています。

 

どの子にもわかりやすい仕組みが随所にある。

米子市内にも放課後等デイサービス&児童発達支援事業所である「まちなかMao」があり、境港のMaoと同様に3歳から高校卒業するまで利用できます。また、「相談支援事業Mao」は、当事業所利用の方だけでなく 境港・米子のお子様の福祉サービスの利用相談・計画ができます。


松下さんは、自閉症児2人を含む3人の子どもを育てた経験があります。その際、差別を受けたり、親のしつけが悪いと責められた経験から、同じ悩みを持つ人を支えたいと52歳でMaoを立ち上げました。「育てにくいと感じたり、どうしていいかわからない子育ての悩みがあれば、まずは気軽に電話してみませんか」と松下さんは優しく呼びかけています。

障がいのある子育の工夫は、いわゆる健常児の子育てにも役立つ事ばかりと私は思います。Maoは難しいと感じる子育ても一緒にチャレンジしてくれるところだと思いました。

 

     

整理収納アドバイザー
つのださちこ
結婚を機に米子の住人となり、はや10数年。鳥取は何もないという人も多いが、じゃあ楽しい事を作ればいいよね、と思いアレコレ活動中。小学生のころ、新聞係で作文が好きでした。そんな昔取った杵柄的な経験を活かして、山陰にはこーんな面白いところがあるよっていう事をお伝えしていけたらと思います。整理収納アドバイザーとして夢を叶える家づくりの提案も行っています。5人家族。好きなキャラクターはスヌーピー。