智頭町の那岐地区で10日、特産品の「かき餅」の発送作業が始まった。同町西宇塚の作業所で地元住民らでつくる那岐特産品開発研究会のメンバーが、色とりどりのかき餅を数枚ずつ、わらで編んでまとめていった。
同地区のかき餅は寒さが最も厳しいとされる「寒(かん)」の時季に作られる郷土食で「氷餅(こおりもち)」とも呼ばれる。自家栽培で粘りの強いもち米「鈴原」を使い、黒豆やニンジン、青のり、シソ、ユズを練り込んで味付けした。
素朴な味わいと風味の良さから幅広い世代におやつとして親しまれ、同会が1992年から製造、販売する。贈答用としても人気で、今年も県内外から注文が寄せられている。国政隆昭代表(89)は「みんなで力を合わせて仕上げた。懐かしさを感じながら味わってほしい」と話した。