北栄町北尾の北条八幡宮で2日、節分の伝統行事「追儺(ついな)式」が行われた。総代や参拝者が見守る中、御弓司(おんゆみつかさ)が鬼の描かれた的に3本の矢を放ち、見事に命中させて厄を払った。
節分の日に行われる鬼払いの儀式で、「弓矢八幡宮」と称される同神社では厄払いと無病息災を祈念して毎年実施している。
拝殿で厄よけの祈禱(きとう)をした後、境内で矢を射る神事が行われた。御弓司は同神社の氏子で、白兎弓道会所属の林悦子さん(46)=同町北尾=が務めた。
直垂(ひたたれ)、引立烏帽子(ひきたてえぼし)の装束姿で約20メートル先の的に向かって弓を引き、狙いを定めて矢を放った。的が射抜かれるたびに参拝者からは歓声が上がり、3本全てを的中させた。林さんは「地域の皆さんの無病息災を祈りながら弓を引いた。的に当たって良かった」と、大役を終えて安堵(あんど)した。
神事の後、総代や参拝者らが「鬼は外、福は内」のかけ声で豆をまき、無病息災を祈願。田村禎之総代長(81)は「皆さんには健康で平穏な日常を過ごしてほしい」と話した。