鳥取市の鳥取県立博物館で、現在も続く八頭町の因久山焼や、すでに廃窯した窯元の作品など、江戸時代の鳥取県東部の焼き物4点が展示されている。16日まで。
八頭町久能寺に現存する因久山焼は、1800年代の名工・勘助の「獅子伏香炉」を展示。台座や皿を含めると高さ約40センチの大作で、獅子の毛流れや牙の一つ一つまで丁寧に造形している。
鳥取藩の藩営で磁器を生産し、すでに廃窯した鳥取市浜坂の窯元の作品、浜坂焼「藍絵四重箱」は磁器の4段の重箱。側面には藍色で中国の理想郷を描き、濃淡で山水を表現している。
同市吉成にあった窯元・吉成焼の「深美鉢」や同市湖山地区にあったとされる窯元・因州湖東焼の「水指」なども並ぶ。
大嶋陽一主任学芸員は「立派な作品を作れる窯元が鳥取城周辺に多くあり、盛んに生産していたことを知ってほしい」と話した。