コラム

[野分 大阪発・論点] 籠池夫妻、控訴審で全面無罪主張の意向 検察も控訴、全面対決へ

2020年3月5日

 学校法人「森友学園」を巡る補助金詐欺事件で、一審で実刑判決を受けた籠池泰典前理事長が、起訴内容の一部を認めていたこれまでの主張を転換し、二審では妻の諄子夫人と同様、全面無罪を主張する意向であることが、本人への取材で分かった。一方、検察側も4日、夫妻への判決を不服として控訴した。より重い刑に問う構えを見せている。

 籠池前理事長は一審では、小学校の建設を巡る国の補助金について「業者が主導した」として無罪を主張する一方、幼稚園の運営に関わる大阪府や大阪市の補助金については、一部に不正があったとして起訴内容の一部を認めていた。

 これについて籠池前理事長は「補助金の申請に必要な診断書を書き換えたことを罪に当たると弁護士に言われ、この部分を認めた方が裁判官の心証が良くなると言われて従った。しかし、実際はいろいろ事情があってしたことで、不正をしたつもりはなかった」と述べた。

 さらに「行政処分で済む程度のことで、詐欺に問われるような話ではなかった」と述べ、二審では起訴された内容のすべてについて全面無罪を主張する意向を明らかにした。

 事件について元特捜検事の郷原信郎弁護士は、夫妻が相談した際「量刑がより軽い補助金適正化法違反に問うべき話」として、詐欺に問うべきではないという考えを示したという。

 一方、大阪地検も控訴期限の4日、籠池夫妻について判決を不服として控訴した。諄子夫人は起訴された内容の一部が無罪となり、執行猶予のついた懲役3年の判決だったが、泰典前理事長は懲役5年の実刑判決。求刑は懲役7年で、泰典前理事長について、より重い刑に処すべきだと判断したとみられる。

 検察の控訴申立人は、大阪地検の山本真千子次席検事。籠池夫妻を逮捕起訴した時と、その後、森友学園への国有地売買を巡る財務省の背任と公文書改ざん事件を、不起訴にした時の大阪地検特捜部長である。

 籠池夫妻の詐欺事件の裁判は、二審で被告と検察双方がさらに厳しく全面対決すると予想される。

 (大阪日日新聞編集局長・記者、相沢冬樹)


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