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【 一月三舟 (いちげつさんしゅう) 】
 仏教用語。一つの月でも、とまっている舟から見るととまって見え、北に行く舟から見ると北に行くように見え、南に行く舟から見ると南に行くように見える。一つのこともそれぞれに異なって受け取ることができ、いろいろな見方をすることができることのたとえとして使われている。

  「日本の政経手術」

2009/06/07

 世界で政権交代がないのは中国と北朝鮮と日本だけ。二世・三世族の権力のたらいまわしも、北朝鮮と日本だけ。

 なぜ日本は北朝鮮と同じなのか。

 今年の衆議院選は、日本の夜明け、一票の選択で私たちが民主主義を手にする初めての選挙である。

 その日本創生には、従来の仕組みや考え方を転換して、常識破りの創造的破壊が必要だ。私が政権をかけて戦う代表ならば、次のような日本の「政経手術」を掲げたい。

政治をとりかえす

 「政」治も「経」済も大胆に改造する。

 そのためには政治を世襲体制から解放し、私たちの手にとりかえす。

 憲法四三条にあるように、国会議員は国民の代表であって、地元の代表でもなければ、ましてや「家業」ではない。憲法も主権を持ったわれわれ日本国民の手で書き直す。

 経済にも世直しが必要。消費税の在り方もまじめに考える。

 作った「道」に「楽」をさせる「道楽」行政を転換して、高速道無料化など、道路の使い方を考え、地方と農業の活性化に結びつける時代。

 第一に、「ノー政」から「農政」への転換が必要だ。

 日本の農業が苦悩している。失われゆく価格競争力、高齢化し、細りゆく農業人口、適正ラインを割り込んだ自給率…。世界の食糧状況はこの十年間に激変している。自給率という日本の食糧「自衛力」が危ない。今のままでは日本の農業が、食糧安全体制がつぶれる。

 現状のままでは、大規模農業は夢のまた夢、農地は細かく分散し、すでに日本列島にはかたや減反、かたや耕作放棄地という皮膚病が蔓延(まんえん)し、醜い姿をさらし、環境保全どころではない。農業を魅力ある職場に変えるには、思い切って農地国債で農地を公有化する、第二次農地改革を断行すべきではないか。

 行政が積極的に介入し、広大な農地を公的機関が所有する。

 中山間地農家は一定の所得補償を前提に、環境保全型農業を主力とする。農家は二分類し、「環境農家」にも、大規模農業を担当する「生産農家」にも、公的機関が農地をリースする。こうした大胆な農地と農業改革を断行しなければ、日本の「生産農力」は向上せず、私たちは世界一の高い米を食べさせられることになる。

 極論すれば、農地改革を行うか、日本が米を食べるのをやめてアメリカが「米」国、日本はジャ「パン」の組み合わせとなるかのどちらかしかない。

 第二に、民営化信者の愚論から目を覚ますことだ。

 郵業は拡大、郵貯は縮小。共に公営を堅持し、地方の郵便局を行政、防災、福祉のサービス・センターとして活用することだ。

 民営化先進国を見れば愚かさがよく分かる。イギリス、ドイツ、イタリア、スウェーデンは民営化を唱えながら、奇妙な「国有株式会社」のままで、郵便業務も依然として独占。

 日本に民営化を迫ったアメリカは、改革法案を2度も議会で廃案とし、ついに2003年の大統領への報告の中で、郵便事業は公営で継続すべきとして、国営のままである。

 アメリカは「チャッカリ」、日本は民営の名「バッカリ」。

生活の安心と信用創造

 第三に、生活のセーフティーネットの信用創造。とりあえず、年金と医療の信頼を回復する。

 その一は、消えない二階建て年金。

 年金は国民共通の制度に一本化し、その上で、消費税を財源とする国民基礎年金と、所得に応じた自己選択積立年金との二階建てにする。

 一階部分の基礎年金は現在の5%の消費税を、2年に1%ずつ上げて10年後に10%として、年金保険料は徴収しない「減税付きの増税」。消費税が年金という名札をつけて帰ってくるから「減税付きの貯蓄」。

 その上、男性より長寿の女性には7年分のおまけ付き。世界の女性の中で最高の安心を保障されているのが日本の女性となる。

 既存の年金制度と新制度が併存する期間は、新方式への移行者には、保険料を調整して上乗せする。

 その二は医療改革。

 75歳以上の人たちには、数え年でも1年早いが、早目の「喜寿」お祝として、医療保険は無料。

 ゼロ金利政策という名目で利子天引き税が10年問にわたり課せられてきた。その高齢者の預金利子10年分、360万円は、100歳までの25年間の保険料の前払いに相当する。

 その360万円は、若い世代の勤める企業への支援金として使われ、支援を受けた銀行や企業からの税収が霞が関の埋蔵金となり、それを今、青壮年世代が「ありがとう」と言ってお返しするだけの話だ。

 来る総選挙で私が政権を懸けて戦う代表ならこうした政策を掲げ、国民の皆さんの反応を問うてみたい。

失われた10年

 失われた十年…、多くの安心や権利、日本の誇りが奪われてきました。

 この政治を今こそ変える「とりかえす」政治、その先頭に立ちます。

 食の安心を     とりかえす

 若者の職場を    とりかえす

 医療の安心を    とりかえす

 年金の安心を    とりかえす

 株価二万円を    とりかえす

 高速無料の権利を  とりかえす

 男女の平等な権利を とりかえす

 誰にも平等な教育を とりかえす

 誰にも平等な一票を とりかえす

 政治を国民の手に  とりかえす

 拉致日本人を    とりかえす

 日本の誇りを    とりかえす

 日本の憲法を    とりかえす

(衆院議員、元出雲市長)

 (この連載は今回で終了します)

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