コラム

[潮騒] 6月13日(日)

2021年6月13日

 高齢者、基礎疾患のある人など、リスクの高い人を優先して接種するという最初の方針がぐらついていないか。新型コロナウイルスのワクチン接種の対象が、急拡大しつつある。大阪でも空き枠がある大規模接種会場などを中心に、接種券がなくても管理できる市職員を対象にしたり、対象年齢を下げたりしてワクチンロスを防ぐ方針だ◆一方、後期高齢者を中心に「予約の取り方が分からない」「電話の声が聞きづらい」「もう諦めた」など、悲鳴に近い声が聞こえてくる◆大規模会場でワクチン接種を加速させ、多くの人が新型コロナにかかりにくい状況をつくることは重要だし、ワクチンロスもできる限り回避すべきなのは当然だが、取り残されている人たちを救う仕組みも必要だろう◆ワクチン接種は本人の希望が大前提だが、独居高齢者の中にはワクチンに関する情報を得ることすら困難な人もいる。たとえ情報を得たとしても、自分では予約するのが難しい人は少なくない。こうした人を支援する動きは民間から出てきたが、行政はさらに力を入れるべきではないか◆懸念するのは、情報がなかったり、諦めたりした高齢者が「ワクチン接種を希望していない」と誤って認識され、完全に取り残されてしまうことだ。(木)


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