コラム

[潮騒] 9月22日(水)

2021年9月22日

 スポーツ選手や芸能人らのサイン色紙を家宝にしている人もいるだろう。そこに何かメッセージが記されていたら、その真意に興味も湧く◆大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方)は上方の演芸人の“言葉”にまつわるエピソードを披露する企画展を行っている。例えば落語家らがファンへのメッセージを書き込んだ色紙やその言葉への思いを紹介◆「酒よりも人の話に酔わされし」は桂福団治さんの言葉。お酒ではなく話で、人を酔わすことを目標に修業を積むという意味を込める。「小さなことからコツコツと」は西川きよしさん。「真面目に辞めずに続けてこられたからこそ今日を迎えられている」◆「一途(いちず)に大好きな浪曲を、という思いを込めて」と沢村さくらさんは「一心に」。「好きなことが一番大事」と師匠に言われたことを胸に刻み言葉にしたためる。正司歌江さんは「幸福みえますか」と半世紀以上書き続けているという。「あなたにもすてきな幸せがありますよ、気付いてください、そして感謝してください」いう思いから◆ただ一言のメッセージでも、それぞれの生きざまを如実に表していて面白い。同展では色紙以外にもさまざまな“言葉”を展示し、言葉を芸の要とする演芸の魅力に迫る。来年3月末まで。(斎)


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