コラム

[潮騒] 9月25日(土)

2021年9月25日

 2011年刊行の『就活生の親が今、知っておくべきこと』(日本経済新聞出版社)は、著者の麓幸子(ふもとさちこ)さん自身が就活生の親だった。当時の就職内定率は過去最低の水準。リーマン・ショックが影を落としていた◆「就職大困難時代」と説く麓さんは、一方で、就活の中身が「複雑で煩雑」になっていると指摘した。その象徴が、志望企業に提出するエントリーシート。記入欄がとにかく広い。自己PR、志望動機、将来展望、さらに、“ガクチカ”もある◆10年たった今も、複雑で煩雑な状況が変わっていないとすれば、コロナ禍にたまたま直面した学生は、エントリーシートに何を書けばいいのか。今月17日の日本経済新聞1面コラムにこうあった。「訴えたいガクチカ(学生時代に力を入れたこと)がなく、高校以前の体験の流用を覚悟している人もいる」◆入学以来オンラインの大学2年生は来年、就活に突入する。何とも気の毒な話だが、自粛世代の息子を持つ母親は、潮騒子にこんなことを語っていた。「生きてさえいれば、どんな状況下でも未来は自分次第なんじゃないかな」◆実は、この母親は大阪日日新聞くらし面「手鏡」執筆陣の一人。就活前のわが子に寄せる思いを、来月1日の紙面につづってくれます。(深)


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