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「挑戦の60年」一冊に プランテック勝井征三会長

2020年1月14日

 廃棄物焼却施設の設計から施工、アフターサービスまで一貫して手掛ける「プランテック」(大阪市西区)の勝井征三会長(82)が、約60年にわたる技術開発の歴史をまとめた『ごみを燃やさない焼却炉』(中央公論事業出版)を発刊した。新時代のごみ問題に一石を投じる一冊。失敗を「挑戦のバネ」とし、人との出会いを大切にしてきた姿には、今を生きる上でのヒントもあふれている。

「社員や多くの人の支えで本にまとめることができた」と話す勝井会長=大阪市西区

 勝井会長は生野工業高卒業後、鉄道車両メーカーで燃焼技術などを学び、その後の転職先で、国産では初となる機械式焼却炉の設計・工事を手掛けた。

 1967年に「豊川鉄工」を設立。84年にプラントとプラン、テクノロジーを合わせた現在の社名に変更し、独自技術で開発した竪型(たてがた)ストーカ式焼却炉「バーチカル炉」を国内外に納めている。

 同書は、1〜12章構成でごみ燃焼に関する「試行錯誤の毎日」を時系列で取り上げ、写真やイラストを交えながら分かりやすく紹介している。

 「技術開発は突然ひらめくようなものではなく、数多くの現場経験があってこそ。成功より失敗から学んだことのほうが多い」と勝井会長。同社の大きな開発の一つが「バーチカル炉」だ。

 従来のストーカ式の主流は横型で「ごみ層を薄くし、炉内の輻射(ふくしゃ)熱を利用して焼却する」方式だったが、燃えにくいごみだけが残る課題があった。竪型の「バーチカル炉」は、廃棄物を積み上げて燃焼空気を下から上方向へ通気させる「厚焚(だ)き通気燃焼」。このため「完全燃焼が最も難しいといわれた医療廃棄物の完全燃焼に成功した」と振り返る。

 60年の歩みに切り離せないのが「恩人との出会い」だ。多方面に交友があり、大阪出身の小説家、黒岩重吾氏(1924〜2003年)もその一人。北新地のバーで出会い、親交を深めた。「人生において、私に感銘を与えた」という。

 第10章には、二十年来の付き合いというアーティスティックスイミング日本代表の井村雅代ヘッドコーチが登場。同書の帯文は井村さんが引き受け、「この独創性と突破力はもはや金メダル」と絶賛する。

 勝井会長は「大手が占めるこの業界で、技術に関しては数多く発表してきた。技術者に書くべきか、一般向けに書くか試行錯誤はあったが、多くの人が読んで少しでも参考にしていただければ幸い」と話している。

 ◇著書は四六判、1200円。問い合わせは電話06(6448)0141、プランテック広報。


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