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障害者と農業橋渡し 農福連携「バリバリ見本市」

2020年4月6日

 障害者が農業分野での活躍を通じて、農業と福祉の双方の課題解決と利益を生み出す「農福連携」。慢性的な人手不足の農業の担い手として障害者の就労や、良質な農産物で授産品を作り、付加価値を付けて売り上げアップを図る取り組みだ。農福連携アドバイザーの中川美陽子さんは「農家と福祉施設ともにメリットがある。お互いが知り合えるきっかけになれば」と、自身が運営する大阪市北区中崎町のレンタルスペース「ソラニワ(空庭)」で、農福連携マルシェ「バリバリ見本市」を始めた。

「商品を通じて人とつながりたい」と話す中川さん(中央)と、こだわりの商品をアピールする出店者=大阪市北区

 「大阪ぐりぐりマルシェ」を主宰するなど、6次産業化プランナーとして活躍する中川さん。近年は、同マルシェでも障害のある人が作った加工食品や雑貨の出店が増えてきたこともあり、「農業と福祉に特化したもの」として、バリアフリーを由来とする「バリバリ見本市」を企画した。

■希望の光

 本来は、今月18日に堺市で予定されていた「レーナ・マリアコンサート」と同時開催の予定だったが、コンサートは新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期。そのため、3月28日に規模を縮小してソラニワで実施し、自然農法の野菜や加工品などを販売した。

 「農福連携は希望の光」とは、当日参加した「ちこち工房」(堺市南区)の松永香織職長。10歳の長女には知的障害を伴う自閉症があり、特別支援学校に通う。就労の場として期待も大きいが、「障害がある人も土を触ると癒やされ、感覚が整う」と、障害者と農業の相性の良さも指摘する。

 現在は、鹿児島県の種子島から取り寄せた安納芋の大学いもや雑貨を販売。いずれは地元で生産された作物を使い、専門店を立ち上げるのが夢だ。「良い商品を作って、付加価値を付けていきたい。いろんなイベントに出ることで知り合いを広げていきたい」と話す。

■商品を通して

 バリバリ見本市は、延期されたレーナマリアさんのコンサートが予定される10月まで不定期で開催。今後は販売だけではなく、出店者自身が制作過程を語るプレゼントークや、実際にものづくりを体験するワークショップも実施する。

 中川さんが理念に掲げているのは、障害者や高齢者ら社会的弱者を社会で包み込むという意味の「ソーシャルインクルージョン」。「商品だけではなく、人も知ってもらいたい。商品を通してつながってもらいたい」と話し、農福連携ならではの相性の良さを生かして人同士がつながる社会の実現を描いている。


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