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自分らしく生きる 必要なのは「つながり」

2020年4月27日

 2014年秋、私は左足を失った−。今年1月26日に他界した高木庸子さん=当時(51)=は、自身の来し方を義足の女子会「ハイヒール・フラミンゴ」のリポートに残していた。

春に似合うハイヒールを試着する「ハイヒール・フラミンゴ」メンバー。右端が高木さん=2019年2月、四條畷市のイオンモール

 京都市の高校教師だった頃に「悪性軟部肉腫」のため左足を切断。川村義肢(大東市)の義足ユーザーイベントを訪れたところ、参加者の中に女性の姿がないことに気づいた。「義足になり、外に出なくなってしまう女性が多いことを知った…私たちが自分らしく歩き続けるために必要なのは、きっと『つながり』だ」とハイヒール・フラミンゴ設立の背景をつづった。

■象徴の「ハイヒール」

 ハイヒール・フラミンゴの名称には、義足でもおしゃれを諦めない女性の象徴「ハイヒール」に、片足で凜(りん)として立つ「フラミンゴ」のイメージを重ねている。

 設立直後の18年11月、着物によるランチとお茶会を京都市内で開催。昨年2月には四條畷市のイオンモールで「春のハイヒール」を試着するイベントを開き、高木さんは「みんなと一緒なら楽しく選ぶことができる」と話した。

 女性義足ユーザーの現状と課題について、高木さんは日本ソーシャル・イノベーション学会でも発表している。義肢装具士の資格保有者に占める女性の比率が16%にとどまり、女性特有の悩みを相談しづらい実態を指摘。医療機関とつながりを持つ「ピアサポート(同じ境遇の人が互いに助け合う意味)」の必要性を説き、「自分らしく生きることができる社会」を提唱した。

■コロナ禍だからこそ

 ハイヒール・フラミンゴの有志は今年3月初旬、フラミンゴの楽園として知られるケニア・ボゴリア湖を訪問し、高木さんを供養。帰国後の同月17日にNPO法人になった。

 代表に就いた野間麻子さん(50)=川村義肢勤務=は「交流会の開催に加え、女性義足ユーザーや下肢切断を控えた女性に対するピアサポート事業の立ち上げにチャレンジする」との活動方針を発表。今後は、女性義足ユーザーや同社社員10人を中心に事業を進める。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、NPO法人設立パーティーは開催のめどが立っていないが、メンバーは「だからこそ、今はつながりの大切さを再認識している。離れていても、会えなくても、つながりを感じて癒やされるコミュニティーへと成長していけたら」と願う。


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