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「第一歩踏み出せる」 大阪府休業要請段階的解除

2020年5月16日

 大阪府が新型コロナウイルス特措法に基づく休業要請を段階的に解除すると決めてから一夜明けた15日、府内の商業施設や公共施設の関係者は再開に向けて準備を進めるなど対応に追われた。自粛続きで閉塞(へいそく)感の漂う状況が緩和されると歓迎の声が上がる一方、再び感染拡大が起きないかとの懸念も。厳しい経営環境でも客足回復が見通せない中では、営業再開に慎重な経営者もいる。

府独自基準の「大阪モデル」により、休業要請の段階的解除が始まる。買い物客らの人出はどう変化するか=15日、大阪市北区の天神橋筋商店街

 効力が発生するのは16日午前0時から。解除とはいえ、府民には引き続き不要不急の外出を控えるよう求めており、府が示した感染防止マニュアルを順守することが条件になっている。

■気を引き締める

 約4割の店が休業している大阪市旭区の千林商店街。同商店街振興組合の岡田浩二事務長(50)は「午後からの人出は少ない。開けていても売れないので、自主休業している店もある」と話す。

 商店街には居酒屋などの飲食店も多く「営業時間が少し長くなるだけ、状況が緩和される」と解除を評価するが、「これで商店街からクラスター(感染者集団)が発生しないよう、引き続きアルコール消毒やマスク着用を心掛けたい」と気を引き締めていた。

 普段は、訪日外国人客ら1日約3万人の買い物客らでにぎわってきた同市中央区の黒門市場。振興組合事務局によると、加盟する約150店舗のうち半数は店を閉めている状態で、客足は1割程度。国本晃生事務長(51)は「人を集めるPRイベントを開いたり、チラシも作れず、具体的にどうしていくかはまだ決まっていない」と悩む。

 境内の主要な門を閉鎖してきた同市天王寺区の和宗総本山四天王寺。状況を見ながら開門するのを決めたが、お堂などは当面閉鎖を継続する。参詣課の山岡武明課長は「人が一気に動きだすタイミングを避けて、今後、段階的に施設の再開に移したい」と慎重さを示した。

■対応を協議中

 親子連れらに人気の施設も対応を協議中。同市港区の水族館「海遊館」と、その近隣施設の天保山マーケットプレイスの再開は未定だ。同館の広報担当者は「解除はありがたく感じているが、お客さんがほほ笑んで動物たちを見てもらえるように、感染防止対策にしっかり努めていきたい」と慎重な姿勢を崩さない。

 同市天王寺区の天王寺動物園は、混雑緩和など感染防止対策を整え6月2日から開園予定。は虫類生態館「アイファー」など一部施設の閉鎖は当面続け、牧慎一郎園長は「再開を待ち望んでいる人のために、環境をしっかり整えてお迎えしたい」と準備に余念がない。

 2カ月以上にわたり臨時休館していた大阪市立図書館は、16日から全館開館する。同市西区の中央図書館では、職員らが飛沫(ひまつ)感染を防止するためのシートや消毒液の設置状況を確認。混雑状況によって入館を制限する対応も予定しており、「制限の方法についてはよく検討したい」と話した。

 今後の学校再開も視野に入ってきた。同市中央区の府立大手前高は、感染拡大防止を生徒自らが実践できる保健・衛生指導と遅れた学習面への対応、メンタル面・生活リズムの回復を重点項目に設定。松田正也校長は「学校がどう示せるかにかかっている。より注力して取り組んでいきたい」と意欲を示した。

■厳しい環境

 同市中央区の大阪松竹座の千田学支配人は「劇場再開へ向けて、第一歩が踏み出せることをうれしく思っている。感染予防に努め、再開場を目指していきたい」と見据える。すでに中止を発表している7月末までの公演は「準備期間が必要で、中止撤回は現時点では難しい」と話した。

 飲食店の営業時間は解除に伴い延長されるが、環境は厳しい。同市阿倍野区でバーを営業する瓜田竜介さん(41)は、感染の第2波を警戒し「消毒液を用意するコストが必要だし、客席を減らす分、売り上げも落ちる。ここまで影響があるとは思わなかった」と肩を落とす。


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