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避難所での感染防げ 大阪府が運営マニュアル

2020年6月28日

 大阪府は、既存の災害時の避難所運営マニュアルに、新型コロナウイルスの感染拡大防止策を盛り込んだ「感染症対応編」を新たに付け加えた。避難所を運営する市町村に向けたもので、各市町村が活用し、避難所での3密対策に役立てる。府は7月以降に市町村と連携し、新型コロナウイルスに対応した避難所の運営訓練を行う予定。

 現在、府内の感染拡大はピーク時に比べると抑えられている。しかし、治療薬やワクチンが開発されるまでは新型コロナウイルスへの対応が長期化することは避けられない。このため「ウイルスとの共存」を前提に、台風や風水害などに備えた災害対応を考える必要があり、新たにマニュアルを付け加えた。

■多様な避難所を

 ポイントは大きく三つある。まず新型コロナウイルスの特性や感染経路の特徴を知ることが重要だと強調。その上で3密にならないように対策を徹底することを求めている。感染者の情報や専門的な知見を持つ保健所と、事前に連携しておく必要性も挙げている。

 二つ目に多様な避難所を確保するよう呼び掛けている。避難所が多くの人で過密な状態になることを避けるため、自宅が安全であれば、自宅待機をした上で2階に「垂直避難」をすることを選択肢に挙げている。親戚や知人の家が安全な場合は、そちらへの分散避難も検討。ホテルや旅館のほか、学校で使っていない空き教室の活用も盛り込んでいる。

 三つ目は、避難所での具体的な感染防止対策だ。避難所を開設する際は、避難者の健康状態を確認できる受け付けの設置や、発熱、せきなどの症状が出た人のための専用スペースを確保するよう定めている。人と人との距離を確保するためには、1人当たりの面積として4平方メートルを目安にすることなどを求めている。

■スペースを区分

 新型コロナウイルスに感染した自宅療養者への対応については、一般の避難者とは別の専用避難所や専用スペースを決定しておくことが重要だとする。同時に一般の避難所に避難した場合のゾーニングも必要だとした。濃厚接触者に関しても、避難所や避難スペースを区分することを求めている。

 府民に対しては、避難所で「人にうつさない」「自分がうつらない」ことを意識し、避難前の検温や健康チェック、マスク着用などの感染対策への協力を呼び掛けている。

 吉村洋文知事は「現在は府域で感染拡大が抑制傾向にあるが、秋冬になると、どうなるか分からない。もし新型コロナウイルスが広がっているときに、災害が起きたらどうなるのか、避難所運営はどうなるのかということを、今のうちに整理する必要がある」と強調している。


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