大阪ニュース

森友改ざん初公判 赤木雅子さんが取材受けた訳

2020年7月15日

 「本のことですけど、女性に読んでいただきたいです。夫が亡くなって以来ずーっと男の世界の中で息苦しかったです」

 こんなLINEが赤木雅子さん(49)から届いた。森友学園への国有地巨額値引きを巡り、公文書改ざんを強要され命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さん(享年54)の妻。真相解明を目指し、国などを訴えた裁判が15日、大阪地裁で始まる。同時に『私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』という本も発売される。これをなぜ女性に読んでほしいのか。

 「夫が亡くなって最初に来たのが近畿財務局の人たち。全員男性です。よってたかって夫の遺(のこ)した手記を私が公表しないように、マスコミを近づけないようにしました。それは保身。上司に言われたからですよ。前の弁護士さんも近畿財務局の人に紹介された男性でした。マスコミの人も男性が多いですよね。夫が亡くなった時、家の周りをマスコミの人たちが囲んでカメラを向けたり話を聞こうとしたりするのが、本当に怖かったんです」

 雅子さんが男社会にうんざりという話は聞いていた。例えば財務省の人たちが何も話さないことについて、「安倍さんがやめたらしゃべるんや。男ってつまらんなあ。役所の人が来たあと率直に思ったのは『男には生まれたくないなあ』でした。つまんない建前で生きてるのがアホらしく思えました」

 本の末尾には「嫉妬深い男の社会」という雅子さんの言葉もある。上司の意向をうかがい、わが身を守り出世したい。夫の手記で「詭弁(きべん)を通り越した虚偽答弁」と書かれた太田充主計局長は、財務省トップの事務次官になるという。それが「嫉妬深い男の社会」だ。

 だから裁判開始前に取材依頼が相次ぐ中、女性による取材を望み、産休中のTBSニュース23、小川彩佳キャスターによる取材が実現した。雅子さんは「きれいな人やわ〜。話し方も柔らかく気遣ってくれたので、いろんなことを話せました」とほっとしていた。

 嫉妬深い男社会の壁を打ち破り真相解明がかなうのか? ついに裁判が始まり本も発売される。雅子さんはできることをしっかりやって真相に迫る決意だ。

(大阪日日新聞編集局長・記者、相沢冬樹)

サイト内検索