大阪ニュース

名作「一文笛」原稿パネル初展示 桂米朝遺稿展

2020年8月5日

 「桂米朝五年祭特別公演」記念の「直筆原稿パネル展」が3日、大阪市北区の天満天神繁昌亭ロビーで始まった。初日には長男で上方落語協会副会長の桂米団治さん(61)が鑑賞に訪れ、監修に当たった米朝さん研究で知られる落語研究家、小沢絋司さん(75)と、国際日本文化研究センター助教の古川綾子さん(47)の説明を受けながら、興味深そうに見て回った。30日まで。

小沢さん(中央)の説明で米朝さんの遺稿を見る米団治さん(左)。右奥は古川助教=3日、大阪市北区の天満天神繁昌亭

 展示品は、米朝さん(2015年に89歳で死去)が、1967年に出版された「落語名作全集(1)」(立風書房)用に書き下ろした自身の創作落語「一文笛」に関する解説と活動記録。

 米朝さんは51年ごろに「一文笛」の制作に着手し、10年越しの59年ごろに完成させたといわれる。原稿15枚を縮小してパネル化し、大阪では初展示となる。

 ストーリーは、駄菓子屋から一文笛を盗んだ少年が、見とがめられて井戸に飛び込み意識を失う。その少年を救おうとスリの秀が“最後の仕事”を打とうとする人情噺(ばなし)。今では多くの落語家に引き継がれ、高座に掛けられている名作になっている。

 米団治さんは、父の手書き原稿を見ながら「米朝は推理小説好きで、伏線を巧に張った作品。米朝のアイデンティティー(主体性)が詰まっている。弟子の育て方と、秀を諭す兄貴分の姿が似ている気がする」と感慨深げに話した。

 繁昌亭では、「米朝ウイーク五年祭」特別公演の昼席として24〜30日の1週間、米朝一門の噺家だけで一日に8席ずつ演じ、ライブ配信も実施。注目の『一文笛』を演じる直弟子について、「(28日にトリを務める)米二さんがされるのではないか」と予想。パネル展は鑑賞無料だが、繁昌亭への入場料が必要。


サイト内検索