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「もっと判断材料を」 都構想 自前で勉強会

2020年8月10日

 大阪市を廃止し、4特別区に再編する「大阪都構想」の制度案である協定書案を議決する大阪府議会、大阪市議会の臨時議会が18日、開会される予定だ。両議会ともに大阪維新の会と公明党の賛成派で多数を占めており、11月1日の住民投票実施が見込まれている。一方、新型コロナウイルスの感染が急拡大しており、住民に対する十分な説明のめどは立っていない。特別区に移行すれば元に戻す法律はなく、市の存廃という重い決断を迫られるだけに、市民は府内各地で勉強会を立ち上げている。

「大阪都構想」について分からないことが多いと勉強会を開く市民ら=大阪市生野区

 8月6日、同市生野区桃谷のオープンスペース「もものや」で開かれた「〜都構想ってなんだろう!?〜あちこち座談会@生野区」。集まったのは年齢も性別もさまざまな男女十数人で、母親に連れられた子どもの姿もある。

 主催したのは、大阪・鶴橋の鶴橋本通商店街で、オーガニック商品が集まる「つるのはしマルシェ」を開催しているママさんたちだ。都構想について「広報紙やホームページを見ても分からない」「伝わっているのはイメージ。メリットの話はあるが、デメリットの話がない」と行政の広報に不安を持つ。

 会員制交流サイト(SNS)のフェイスブックで呼び掛けたところ、座談会を知った人たちが集まり、「決めるのは大阪市民と言うが、もっと判断材料がほしい」と戸惑っていた。

■自分で結論を

 翌7日、同市東住吉区南田辺の会社の一室に「大阪都構想を考える市民の会」(綱島慶一会長)のメンバー7人が集まった。同会は6月26日に住民投票延期の要望書を大阪府知事や大阪市長、府議や市議に送っている。

 「大阪市民が大阪の将来を、冷静に考えることができる時期まで延期することを望む」との趣旨だ。綱島会長は「市民が自分で結論を出せるようにしないといけない」と、コロナ禍で十分な議論が行われないままの住民投票に懸念を示す。

 同区民ホールで今月22日、反対派で元大阪市議の柳本顕氏を講師に迎えて「『都構想』を考える集い」を開く予定だ。賛成派の維新の議員に、柳本氏との討論を呼び掛けたが断られたという。

■府民にも影響

 7月23日、吹田市泉町のコミュニティハウス「モモの家」で催されたのは、「はじめての『都構想』住民投票座談会」(モモ都構想研究会主催)。広い和室に並べられたテーブルを囲んで十数人が集まった。

 オンラインでの傍聴にも対応し、約10人に議論の様子を配信。都構想の中身をクイズ形式で伝えるなど、興味を持ってもらう工夫がされ、地元の大学教授を呼んで疑問に答えてもらうなど本格的だ。

 住民投票ができるのは、3カ月以上大阪市内に住む18歳以上の市民だが、府民への影響についても勉強している。参加者からは「(大阪市を廃止していいのかを決めるほどの)知識は市民にない。説明責任を果たしてほしい」という切実な声が出た。


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