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瀬戸内の魅力クルーズで 再発見の旅、記者が体験

2020年9月19日

 JR西日本や広島県などは10月1日から、瀬戸内海周辺の魅力を発信する「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」をスタートする。見どころの一つが観光型高速クルーザー「SEA SPICA(シースピカ)」。広島港と三原港を東西に結び、瀬戸内の島々を楽しむことができる。キャンペーン開始前に試乗会に参加した。

揺れを少なくする双胴型のフォルムを有する観光型高速クルーザー「SEA SPICA」
2階デッキ「スピカテラス」には島々をイメージしたソファが置かれ、リラックスして風景を楽しめる

 シースピカは、JR西日本と瀬戸内海観光汽船が共同で造った新型船。最高速力は24ノット(時速44キロ)の高速船だ。船体は瀬戸内海をイメージした青色で、座席の大部分も同じ色で彩られている。

 特徴は高速船では珍しい2階デッキ「スピカテラス」。中央部のソファは点在する小島をモチーフにしたデザインになっている。両側、後部に設置された椅子とともに、風を感じながら島々の風景を楽しめる。

 試乗会では午前9時半に広島港を出発。すぐに「スピカテラス」に上がると、小雨交じりの曇り空。しかし、島々の風景と海からの風は快適で、海面を滑るように進む船はほとんど揺れず、船酔いの心配はない。穏やかな瀬戸内の海の特性だけでなく。エンジンを左右一つずつ搭載した双胴型という構造が、高い居住性の要因になっている。

 30分ほどで今回の目的地、呉港沖に到着。全長25・7メートルと客船としては小回りのきくサイズを生かし、普通の船では入りにくい海上自衛隊の港近くまで進む。護衛艦「あぶくま」や輸送艦「くにさき」が、50メートルほどの目と鼻の先に。通常は専門のガイドがついて、詳しく船の解説をするという。

 試乗会のため、呉港沖からしばらく進んだ音戸大橋で折り返したが、本来はさらに東進し、下蒲刈(しもかまかり)島と大久野島に立ち寄る。下蒲刈島では約1時間停泊。地元の人によるマルシェが出て、名産品が買えるほか、博物館巡りなどができる。大久野島はウサギ島として有名で、30分という停泊時間は動物好きには足りないかもしれない。

 なお、三原港から広島港への西行きルートでは、下蒲刈島の代わりに御手洗港に立ち寄る。江戸時代、北前船の航路となっており、幕末の志士、坂本龍馬のゆかりの地など、古い街並みなどが楽しめる。シースピカでの観光ツアーの所要時間は約4時間半を予定している。

 午前11時すぎに、今回の約1時間ほどの試乗会は終了。希望者にオプションで提供する「銀河ランチボックス」を試食する。メインのローストビーフサンドやピクルスなどほどよい量で、海風に吹かれながらデッキで楽しむのもいいだろう。

 これまで本州と四国との南北航路はあっても、東西航路は少なかった瀬戸内海。高速船で巡れば、海や島々の魅力が楽しめる。JR新大阪駅から広島駅まで新幹線で約1時間半。手軽に足が延ばせ、瀬戸内の魅力を再発見できる旅になる。

 ◇「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」は10月から12月まで、「ミタイケンひろしま」をキャッチフレーズに展開。期間中は観光型高速クルーザーのほか、観光列車「etSETOra(エトセトラ)」の運行など瀬戸内の観光を楽しめる多彩な内容になっている。各施設で新型コロナウイルス感染拡大防止対策に努め、観光客を迎える。


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