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安心は「片付け」から コロナ禍の在宅介護環境

2020年10月5日

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、高齢者が福祉施設に転居する際に入居を断られるケースもあり、引っ越し事業者が対応に苦慮している。少子高齢化の進展で在宅介護の必要性はさらに高まっており、業界では高齢者が自宅で転倒、骨折するのを予防するため「片付け」の重要性を啓発。政府が推奨する「健康寿命」の延伸にアプローチしている。

引っ越しのため荷造りをするスタッフ(左)=セイコー運輸提供

 「災害に備え、家の環境を見直す必要があるのではないか」−。中小運送事業者でつくる「住む〜ぶ全国協議会」(大阪市住之江区)の宮高豪代表理事(セイコー運輸社長)は、少子高齢化で施設数が不足することも念頭に、住み慣れた自宅に長く住み続け、介護を受ける必要性を訴える。

■入居お断り

 「住むーぶ」は、引っ越しなどの際にトラックと共に介護資格を有するスタッフを派遣するサービス。遺品整理も含め、個人だけでなく行政や社会福祉協議会、地域包括支援センターからの引き合いも多い。

 同協議会によると、新型コロナの感染拡大で政府の緊急事態宣言発出の前後で、福祉施設から入居を断られたり、一定の制限が加えられたケースが相次いだという。

 大阪市内で独り暮らしをする女性は、他県での入居を断られ、宮高さんは「『感染が拡大している大阪から来る』というイメージを持たれたのではないか」と推測する。別のケースでは、入居はできたものの家財を搬入できるスタッフを1人に制限されることもあった。

■時間減らす

 19年の高齢社会白書によると、18年10月現在で65歳以上の高齢者人口は3558万人に上り、高齢化率は28・1%。自立して生活できる「健康寿命」は男性が72・14歳、女性は74・79歳で、平均寿命からするとおよそ10年は介護が必要になる統計だ。

 同協議会では、11月28日に介護事業者向けに高齢者の生活実態や家財整理の現状を説く「片付けセミナー」を開く。宮高代表は「片付けに割く時間を減らすようなスキルアップが、収益にもつながるのではないか」と展望している。


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