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天神祭 選択肢広く 大阪天満宮、寺井種治宮司

2021年1月13日

 新型コロナウイルスの収束が見込めない中、大阪天満宮(大阪市北区)の寺井種治宮司(57)は、今年の天神祭(7月24、25日)のありようについて「遅くても4月中ごろに発表する」と語った。昨年は陸渡御(とぎょ)、船渡御や神賑(にぎわい)行事の奉納花火を中止したが、「神事のみだった昨年の形から広げられるように考える」と述べ、選択肢を設けて検討していることを明らかにした。日本三大祭りの一つ、天神祭を斎行する立場の寺井宮司にインタビューした。

今夏の天神祭について語る寺井宮司=11日、大阪市北区の大阪天満宮

 −「3密」を避けるため、昨年は陸渡御、船渡御、神賑行事を中止した。今年の見通しは。

 「船の手配など準備が必要なため、昨年は4月13日に判断した。コロナ感染やワクチン普及の状況をギリギリまで見極めたい。神事のみだった昨年の形から広げられるように、どれだけできるかを考える」

 −選択肢を設けることか。

 「陸渡御、船渡御は規模縮小すれば可能性はある。西宮神社(兵庫県西宮市)は昨年9月の渡御祭で神職と祭典関係者に限り、船の数も減らして斎行した。天神祭の船渡御も神霊を乗せるだけにすることも考えられる。花火は予告無しの実施もあり得るのではないか。実際、昨年は全国各地で試みられた。また、東京五輪・パラリンピックができるようなら、天神祭もできると思う」

 −東京五輪の開会式は予定通りなら7月23日。その場合、天神祭の警備員不足が表面化する。

 「警備員確保の問題は頭が痛い。人件費約1・5倍の見積もりが出ている。警備の費用が増え、企業協賛の収入が減ると厳しい。経済界に協賛を求めるだけでなく、インターネットで資金を募るクラウドファンディングも続ける。政教分離の面で、行政の補助を受けやすくするため、現在の『天神祭渡御行事保存協賛会』を公益財団法人に改めることも必要だ」

 −明るい話をしましょう。2025年大阪・関西万博に向けて思うことは。

 「25年は万博会場の夢洲(ゆめしま)で何らかの形で『天神祭』として関わりたいと思っている。神様が“現地集合”する降神(こうしん)によって、私たちは1994年5月にオーストラリアのブリスベンで天神祭を斎行し、陸渡御、船渡御も行った。70年大阪万博にも一部の講が参加したことがある」

 −最後に、今年の抱負を漢字一文字で示してください。

 「私はこの正月にコロナ収束を願って俳句を詠んだ。『必ずや 明けぬ夜はなし 初日さす』。漢字一文字にすれば『明』。今春、当宮には女性の神職が4人増えて合計7人になる。きめ細かいご奉仕も心掛けたい」


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