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説明仕方で接種意向に差 関大研究チーム調査

2021年3月5日

 関西大の研究チームが、新型コロナウイルスのワクチン接種に関して意向調査を実施したところ、説明の仕方によって判断が変化するという結果が分かった。最大で10ポイント以上の差が発生し、研究チームでは「接種を説明する立場にある人は、正確かつバランスのとれた情報提供が重要」と呼び掛けている。

関西大ソシオネットワーク戦略研究機構が行った新型コロナウイルスワクチン接種意向調査の結果グラフ
医師や看護師らに行われた新型コロナウイルスワクチンの先行接種=2月19日、大阪市中央区

 同大学ソシオネットワーク戦略研究機構(RISS)が、1月27日から2月3日にかけてインターネットで調査し、8355人から回答を得た。

 用意した質問は五つ。それぞれグループに分けて問い掛けた。1問目は単純に接種の意向を問い、2問目は「100人が打てば95人が発病を防げる」という条件をつけた。3問目は「100人が打っても5人感染」と否定的にし、4問目は副反応について「0・02%の割合で発生」と説明。5問目は「10万人のうち20人が発生」と人数で表現した。

 単純な接種意向の結果は58・2%だったが、2問目では76・0%と大幅に上昇。しかし、3問目では65・9%にとどまった。4問目では64・4%だったが、同様の説明をしている5問目では57・8%に減少した。

 RISSでは、2問目と3問目は行動経済学でいう否定的による「感情フレーミング効果」、4問目と5問目は「分母の無視」と呼ばれる選択する際に生じる傾向的なくせと解説。「表現の仕方によって、判断に影響を与える結果は重大。特定の方向に操作することは望ましくない」と警告する。

 一方、1問目と比較すれば5問目以外はすべて割合は上昇している。否定的であっても情報の追加は接種意向の低下につながっていないとし、「有効性や副反応に関する詳しい説明は接種に対する判断を助け、高い希望率につながる可能性がある」と分析している。

 RISSの機構長で同大学の本西泰三教授は「内容にかかわらず、情報提供することでおおむね意向が接種する方向に傾くのは意外だった。接種の判断はそれぞれに任せるべきだが、行政などは心理的な動きを認識した上で実施してほしい」と話した。


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