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「至福の音楽を皆で」 アドバイザーに堀朋平さん

2021年3月8日

 住友生命いずみホール(大阪市中央区)は2021年度から、音楽アドバイザーに堀朋平さん(42)を迎える。故・礒山雅ホール音楽ディレクターの薫陶を受けた気鋭の音楽学者。「ホールの中で味わう至福の、時に宗教的な祈りに通じるような音楽をみんなで分け合っていきたい」と静かに使命感を燃やす。

内向的な半面「大勢の人で音楽を分け合うことって実はすごく楽しい」という堀朋平さん=大阪市中央区の住友生命いずみホール

 1990年4月開館の同ホールは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地「ウィーン楽友協会大ホール」を理想とした821席のコンサートホール。2018年2月に71歳で急逝するまで、礒山さんとともに“音楽学者とホールの協働”で独自公演を数多く手掛けてきた。

 開館31年目からの新たな一歩として、礒山さんの元で研さんを積んだ若手の堀さんを音楽アドバイザーに起用。堀さんは礒山さんの著書を読んで感銘を受け、国立音楽大に進学し同大大学院を経て、東京大大学院博士後期課程修了。国立音楽大などの講師を務め、著書に「〈フランツ・シューベルト〉の誕生」などがある。

 ホールとの関わりは、16年のレクチャーコンサートから始まった。その中で、「ここのスタッフほど礒山先生の薫陶を受けた人はいない。30年一緒に歩き、密な関係を築いてきたということを知って、ジェラシーを感じるほど」と振り返る。

 アドバイザーへの就任は「みんなでコンサートを企画したり、自分で調べたことを聞いてもらったりすることは割と嫌いじゃない。それをこんなに伝統があるホールでできることはうれしい」と引き受けた。現在は福岡に住み、会議や公演ごとに来阪する。

 音楽にかける情熱と団結力のある既存スタッフの輪にするりと入り込んでいる様子で、「音楽づくりなど、すごく学ぶことがあって楽しい。たまに外国語じゃないかと思ったり。裏を返せば、それだけ音楽をつくっていくノウハウがしっかり確立されている。最大限アンテナを張りながら、相互的にやっていきたい」と力を込める。

 21年度のテーマは、ホールが開館時や新しい一歩を踏み出すときに取り上げてきた「モーツァルト」。5〜11月に6公演企画する。それに先駆けた4月23日のレクチャー&コンサート「モーツァルトの楽園」では堀さんもマイクを握り、「モーツァルトが描いた楽園的な音楽とその深化」を読み解く。

 自身を「内向的でオタク気質がある」と分析し、その“オタク”部分や傾倒する「シューベルト」などは「聴衆の反応を見ながら、長期間かけて挑戦し、相互作用できる環境を醸成していければ」と画策する。


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