大阪ニュース

大工大に6年一貫クラス 世界的人材養成

2021年6月13日

 大阪工業大(大阪市旭区)は2022年度の入学生から、学部と大学院・博士前期課程を合わせた6年一貫のクラスを機械工学科で新設する。入学時から教員がマンツーマンで指導する体制と、一般クラスよりも高度な内容の少人数授業を展開。国公立といった難関大学ではなくても、世界で活躍できる人材が輩出できるのを証明していく考えだ。

大学院で行う授業のイメージ=大阪市旭区の大阪工業大

 「研究推進クラス」と名付けて設置する。日本の科学技術を巡り、国際的な競争力の低下が懸念されているのを踏まえた。大工大によると、学部と大学院の一貫課程は、難関大の一部では設置されているものの、全国的には珍しいという。

■教育機関の責務

 同クラスは、優秀な成績で入試に合格した受験生から最大16人を選抜。学部の入学時から、1人の教員が1人の学生をマンツーマンで指導する。

 独自の授業として、学部1年前期から、各研究室で扱う題材を使って観察力や思考力を養成。ほかには、未来社会における課題と機械工学研究の関わりを広く学べる時間もある。

 3年からは、大学院に直結した実践へと移行。それまで学んだ基礎や理論を活用し、検証する段階に移る。

 その上で大学院では、他機関との共同研究や企業での就業体験が前提のカリキュラムを展開。これまで大工大は、海外の大学と火星探査機の安全着陸について研究したり、大手自動車メーカーと溶接技術の開発に取り組んだりしており、卒業前から、社会に直結した研究開発に臨む環境を整える方針だ。

 学生側の経済的負担にも配慮する。クラス全員に約1年間の大学院授業料相当額を給付し、研究活動にかかる旅費や宿泊費などの支援制度も設ける。

 研究推進クラス推進室長の上辻靖智教授は「新たな時代を構築する“知のプロフェッショナル”を輩出していくという、教育機関としての責務を果たしたい」と力を込める。

■「何を学んだか」

 大工大は、知名度が高い国公立大や難関私立大に比べると、入試の難易度は高くないのが現状。入学生の中には、目標としていた大学に入れず、不満な気持ちのまま過ごすケースもあるという。

 しかし、上辻教授は「どの大学に入学したかではなく、大学で何をどれだけ熱心に学んだかが大切」と強調する。

 社会人基礎力を測定する外部民間テストの成績によると、学部の学年が上がると一部の国公立大を上回るとのデータもあり、研究室での活動が学生の成長を促しているとの知見を得ている。

 こうした背景もあって設立に至った6年一貫クラス。上辻教授は「主体的に熱く学び、卒業後には、予備校の偏差値などで決められた、大学の序列を逆転するチャンスを提供したい」と意欲を示す。

 大学入試の難易度にかかわらず、世界に通用する人材を輩出できることが、日本の国際的な競争力向上につながるとみている。


サイト内検索