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大阪弁で古典文学 中村さん「源氏物語」題材の新作

2021年7月22日

 古典を大阪弁で現代語訳するアマチュア研究者の中村博さん(78)=堺市=が、新作『大阪弁びっくり源氏物語』(JDC出版)を刊行した。紫式部の長編文学「源氏物語」のハイライト部分を原文から抜き出し、七五調で訳した。現代語として使った「大阪弁」の魅力も暗に伝えている。

「大阪弁びっくり源氏物語」
中村博さん

 「いづれの御時にか」で始まる源氏物語の一文を、中村さんが訳すと、こうなる。

 「誰の帝(みかど)の 御代(とき)やろか 皇后(きさき)候補の 予備軍の 女御(にょうご)や更衣(こうい) 多数(ぎょうさん)が 仕えておった その中で 天皇(みかど)の血筋と 違(ちゃ)うけども 大層(ごっつ)好かれた 女人(ひと)居った」 七五調について、中村さんは「すらすら読める」と説明。大阪弁を巡っては「柔和で、包容力があり、声を出して読むと感情の豊かさが感じられます」と説いている。

 本書にメッセージを寄せた國學院大教授の上野誠氏は、「古典教育の基礎が揺らいでいる」と問題提起した上で、「中村さんの新訳によって、今の源氏物語が紐解(ひもと)かれることを願ってやまない」と期待している。

 中村さんは高校生の頃、万葉集研究の大家犬養孝さん(1907〜98年)と出会い、万葉集に傾注。古希を迎えた頃から『万葉歌みじかものがたり』『七五調 源氏物語』『叙事詩的 古事記ものがたり』などの刊行を続けている。


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