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根底の“歌心” 大切に 大響が新指揮者体制

2021年9月24日

 大阪交響楽団(堺市堺区)は2022年4月からの新指揮者体制を発表した。常任指揮者には山下一史、ミュージックパートナーには柴田真郁、首席客演指揮者には高橋直史の各氏。それぞれ3年契約で、大響の強みでもある“歌心”のさらなる発展を目指す。

山下一史さん(C)ai ueda
柴田真郁さん(C)T.Tairadate
高橋直史さん

 山下さんは1984年に桐朋学園大を卒業後ベルリン芸術大に留学し、86年にデンマークで開かれたニコライ・マルコ国際指揮者コンクールで優勝。85年12月からカラヤンのアシスタントを務め、翌年の演奏会で急病のカラヤンの代役を果たし話題となる。日本デビューは88年で、各オーケストラの常任指揮者などを歴任し、現在は千葉交響楽団音楽監督、東京芸術大音楽学部指揮科教授などを務める。

 今年4月に15年ぶりに大響の指揮をした際、楽団員から厚い信頼を得てのオファーで、「非常に驚いた。旧知の間柄ではないけれども、音楽的な会話が成立したと感じた。ご縁を大切にして育てていかなければと思っている」と山下さん。

 就任記念の演奏会は来年度の1回目の定期(5月13日)で、ソプラノの石橋栄実さんを迎えてシュトラウス「4つの最後の歌」や交響詩「英雄の生涯」を演奏する。

 柴田さんは国立音楽大声楽科を卒業後、合唱指揮やアシスタント指揮者として藤原歌劇団、東京室内歌劇場等で研さんを積む。2003年に渡欧し04年にウィーン国立音楽大マスターコースでディプロムを取得。海外での活躍を経て帰国後はオペラ指揮者として、また近年は管弦楽にも力を入れる。

 大響とは20年来の付き合いで、「お二方と一緒に大阪交響楽団を盛り上げていきたい」といい、就任後もオペラ作品を中心に据える。第1弾はドボルザークの歌劇「ルサルカ」を演奏会形式で2023年2月5日に披露する予定だ。

 高橋さんは東京芸術大指揮科卒業、同大大学院修了、ミュンヘン音楽大大学院指揮科修了。2006年から今年2月までドイツ・エルツゲビルゲ歌劇場音楽総監督そして同交響楽団首席指揮者を務め帰国。4月から金城学院大文学部音楽芸術学科教授を務める。

 10年前に大響と初共演して以来共演を重ねており、本帰国を知った大響が早速オファー。長年の歌劇場での経験を踏まえて、音楽とさまざまな芸術とを「境目を付けずに表現していきたい」という。来年9月2日の定期は「音楽と文学」と題し、シェーンベルク「六つの歌作品8」、シューマンの交響曲第1番「春」などを演奏する。

 大響事務局長の赤穂正秀さんは「これまで“歌心”を持っていらっしゃる指揮者と共にオペラ作品をたくさん演奏してきた。今後も(どんな演奏会でも)根底には“歌心”が流れていることが重要だと考えている」と3指揮者に期待を寄せた。


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