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日中友好の拠点に 今春開業した大同ガーデンホテル

2021年10月18日

 大阪市此花区にある大同ガーデンホテル。大阪環状線西九条駅からすぐで、夜になるとネオンサインが美しく浮かび上がり、環状線からも見ることができる。桜が満開になる今年3月下旬にオープン。同ホテルの王蔚(ワンウェイ)社長は「中国、日本の友好拠点として、そして在日中国人のふるさとのような場所にしていきたい」と話す。

日中友好の交流を深める皆さん=大阪市此花区の大同飯店

 王社長が神戸女子大に留学生として来日したのが30年前。大学卒業後は大企業で実務を経験してキャリアを積んだ。先祖が母国でホテルと遊園地を経営していたこと、さらに「日中友好の仕事に携わっていた今は亡き父の思い」(王社長)に応えるために、ホテルの経営を決意した。

 同ホテルの建設は、新型コロナウイルスが世界で猛威を振るう前に計画されていたが、建築計画が進行中に日本でもコロナが流行。さらに施工会社の破産などもあって工事が中断した。王社長は金銭的な問題も抱え込むなど「鬱(うつ)になり、途方に暮れた」と紆余(うよ)曲折の経緯を振り返った。

 建築の継続を決意するために時間を要したが、「もう一度」と王社長は始動。室内家具の配置はサイズを考え図面を自ら描いた。冷房のない蒸し暑い建築現場で施工業者とともに汗を流し、作業終了後は階段を幾度も上り下りして掃除を繰り返す日々。壁もペンキやはけを購入して自ら塗装したという。「1年で8キロ痩せました」と王社長は白い歯を見せた。

 さらに帰宅してからはインターネットで家具、調度品などを調べてすべて中国から輸入。室内は先祖が経営していたホテル同様にヨーロッパ調に統一した。

 1階にあるレストラン「大同飯店」は、すでに日中友好の拠点として機能している。在日中国人が着付けを学び、留学生や若者も集う。中国語を学ぶ日本人も交流を深める。「本格的な飲茶など中国の食文化も日本の皆さんに伝えたい」と王社長は意気込む。

 中秋の名月には中国の風習にならって友好を深めた。日本に来て25年になる王玲莉さんは「コロナで交流が減っている中で、こういう場所があってうれしい。留学生にとっても相談できる場所になる」と今後の広がりに期待を寄せる。井上浩子さんは「子どもの頃から中国が好き。中国の人は親切で温かい。ここに来ると壁がなく輪の中にすぐに入れる」と相好を崩した。


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