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母子手帳の素晴らしさ実感 オンラインで世界に発信

2021年10月27日

 公益社団法人日本WHO協会(大阪市中央区)は1965年、国連の専門機関「世界保健機関(WHO)」の活動や情報を多くの人びとに迅速で適切に伝えるという使命を担って設立された。関淳一前理事長の後を受けて就任した中村安秀理事長はこれまでインドネシア、アフガニスタンなど途上国の保健医療活動に取り組んできた。新型コロナウイルス禍で世界的な交流が遮断される中、中村理事長に現況の活動を聞いた。

「ピンチをチャンスにオンラインセミナーを通して関西、大阪を元気づけていきたい」と話す中村理事長

 −コロナ感染が起こりましたが。

 コロナになると三つのことで大きく状況が変わりました。私は小児科医ですが、国際協力機構(JICA)の専門家で2年間インドネシアで暮らしました。それ以降もいろんな国を周っていましたが2020年から今日まで海外に行けなくなりました。二つ目に言っておきたいのは、グローバルヘルス、国際保健のニーズはむしろ高まっています。三つめがコロナ禍で一気に広まったのがオンラインです。

 この時に日本WHO協会が真っ先にしたのが「ピンチはチャンスに変えよう」。もっとデジタルでつながればいいじゃないかと、始めたのがオンラインセミナーなんです。

 第一弾のオンラインセミナー「関西グローバルヘルスの集い」は七百人以上が視聴しました。日本語でやりましたが海外14カ国から参加され、大いに盛り上がりました。国境を越えてつながるセミナーを担う運営委員の方々は協会にとってすばらしい宝です。「関西グローバルヘルスの集い」を通して関西、大阪を元気づけていきたい。

 −本を出版されたそうですが。

 「海をわたった 母子手帳」という本を出しました。小児科医としてインドネシアで村の子どもの健康をよくする仕事を2年3カ月にわたってしてきました。その時に日本の母子手帳は素晴らしいと実感しました。母子手帳には妊娠中のお母さんの記録、出産の記録だけでなく、子どもの健診の記録や予防接種も書かれています。その貴重な個人の健康データを家庭の中で1冊の小さな手帳で保管できるところが素晴らしいのです。

 1948年に世界で最初に厚生省(現・厚生労働省)が母子手帳を作りました。戦後まもない当時は、妊産婦、子どもともに死亡率が高く、母子手帳を作って子どもとお母さんの命や健康を守ろうとしたのです。

 −途上国で『母子手帳』が普及しているそうですね。

 途上国の方が日本に来て、日本の母子手帳をみて感心するんです。アフリカのケニア、ミリアム・ウェレ博士(公衆衛生学)が当時の小泉純一郎首相がつくった第1回野口英世アフリカ賞を受賞しました。彼女が来日した時に日本の母子手帳をお見せしたら「こんな素晴らしいものがあるならアフリカで広めたい」と母子手帳ファンになり、今ではアフリカで20か国以上が母子手帳を導入しています。


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