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師匠吉幾三の幻の曲歌う 吉永加世子 新曲「サヨナラTokyo」

2022年6月19日

 先日、大阪の新歌舞伎座でも行われた「吉幾三芸能生活50周年記念」座長公演。そこでパンチのある歌声と大柄で目立つスタイルで注目されたのが6月に新曲「サヨナラTokyo」(徳間)を出したばかりの吉永加世子。資料を見ると、ヒットメーカーの作曲家・弦哲也の門下生になったのが、昭和最後の「1989年」とある。興味がわいて取材してみた。

テレサ・テンが歌うはずだった幻の曲を世に出した吉永加世子=大阪市中央区の徳間ジャパン

 現在の芸名は2008年に吉の弟子に入った時に師匠にもらった事が分かった。師匠名から「吉」、永(なが)く活躍できるように「永」、本名の加代子を世界に通じるように「世」の字に変えた。94年、当時の「バップ」レコードからデビューした初芸名が「小林加代子」。167センチと背が高いから「せめて名前は“小”の字を」と言われたそうだ。

 シングル4作を出したが売れず、2005年に「ホリデージャパン」に移籍、芸名も菜々世里奈(ななせりな)に。1作出しただけで3年が流れる。引退の2文字が頭をよぎった時に、ワラをもつかむ気持ちで旧知の吉の門をたたいた。以後2作を出し、常に師匠と帯同。ジワジワと知名度を増している。

 そんな時に吉永が偶然見つけたのが今回の「サヨナラTokyo」。吉が三十数年前にテレサ・テンのために詞と曲を作った書き下ろし。1995年に彼女が急逝し、宙に浮いて忘れられていた。

 発売にあたって師匠は歌詞を全面的に手直し。愛する男性と別れ、東京を出て行く切ない内容にした。主人公の気持ちを理解するため、吉永も転居を経験。カップリングは吉のアルバム中にあった女唄(うた)「あなたが足りない」を選んだ。

 尊敬する歌手は高橋真梨子。切なく人生を語るような歌い掛け方にその片りんがダブる。吉からは「私の持ち歌の女唄は全て君が歌っていい。自分も今年70歳。独りでいつまでもすべてを歌い継げる訳ではないから」とお墨付きをもらった。

 「昭和歌謡が大好きですからうれしい。この世界も長くなったけど、過ぎた年数はムダだと思わない。必要な歳月だったと思います」と、今が青春まっさかりだ。


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