20年にわたって大阪の路上でホームレス支援を続ける大阪市中央区の自営業、石黒大圓(だいえん)さん(75)が、単行本「妻子の死からホームレス支援へ ひとつのおにぎりと寝袋がひとりの命を救う」=写真=を出版した。石黒さん自身が痛み悲しみを乗り越えて、天から与えられた使命にまい進する自らの人生を振り返った鎮魂の書だ。
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本書は「いのちに目覚める…いのちに導かれて」「いのちを救いたい…ひとつのおにぎりと寝袋がひとりの命を救う」の2部構成。
石黒さんは大学卒業後に家業のセーター卸問屋を継ぐ。そんな石黒さんを不幸が襲った。1989年に次男邦之さんの死、さらに97年には妻佐知子さんが亡くなった。その2年後には追い打ちをかけるように石黒さんが“オヤジ狩り”に遭い自らが殺されかけた。逆境の中、転機が訪れた。
2000年にホームレス支援活動を行っている「いのちと出会う会」に出会い、01年には釜ケ崎の炊き出しに参加。さらにホームレスへの寝袋配りを始めた。石黒さんが寝袋配りと炊き出しを始めたきっかけは、「次男を白血病で亡くし、妻も胃がんで亡くしました。せめて、二人を救えなかった分、路上で身寄りもなく、死んでいく人々を救いたいと思った」ことだという。
本書には、死の病に侵された妻子の闘病と死、路上で苦しむホームレス。“命”と向き合ってきた石黒さんの思いがつづられている。石黒さんは「亡き二人への鎮魂の書、自分史としても書きました」と話している。
アートヴィレッジ、46判、381ページ。1650円(税込み)。
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