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五代友厚真実の姿を 開学の祖 名誉回復へ活動

2022年6月24日

 大阪市立大同窓会(五代友厚記念事業委員会)は6年間にわたり、同大学開学の祖であり、「大阪の恩人」とされる五代友厚の真実の姿を広く知ってもらう活動を続けている。不当な行為を行った政商という評価から五代の名誉を回復させる活動や、銅像の建立、イベントの開催などを実施。同大は4月の大阪府立大との統合で大阪公立大として再スタートしているが、同委員会の活動は25年まで継続する。

五代友厚の銅像と出版記念碑
大阪市立大同窓会が出版を企画した「新・五代友厚伝」

 五代は明治時代の実業家。初代・大阪税関長として長崎県から着任し、その後、大阪造幣寮(現・造幣局)、大阪株式取引所(現・大阪取引所)、大阪商法会議所(現・大阪商工会議所)など、大阪の礎となる組織の設立に尽力した。大阪市立大の前身である大阪商業講習所の創立者の一人でもある。

 一方で、1881年の「北海道開拓使官有物払い下げ事件」では、日本史の教科書に「開拓使官有物払い下げを不当な安値で受けようとした政商」という記述があり、同窓会は記述が事実と異なるとし、見直しを求める活動を展開している。

 2020年に『新・五代友厚伝』(PHP研究所、八木孝著)を刊行。同事件を詳説して、五代の無実を論じている。21年には「五代友厚官有物払い下げ説見直しを求める会」を発足して、賛同する署名約7千筆を集めた。同年から22年にかけて教科書会社6社などに対し、払い下げ先が異なるという史料を提示するとともに記述の見直しを要望。教科書会社4社などから「指摘事項は検討する」との回答を得ている。22年にはシンポジウムを開催し、五代無実の新たな証拠とされる史料の発見を報告している。

 銅像は五代生誕180年にあたる2016年に、同窓会が中心となり、卒業生らの寄付でキャンパス内に建立。台座を含めて高さは約3・4メートルあり、「勉学に励み、海外に目を向けてほしい」との思いから、右手に本を持ち、視線は遠くを見据える。

 今年3月には造幣局で「五代友厚と桜まつり」と題するイベントを開催した。

 活動に注力している同委員会の羽原顕三委員は「多くの人に五代の真実の姿を知ってもらい、名誉を回復させたい」と意気込んでいる。


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