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上方伝統芸能ユニット「霜乃会」 8月、大阪で本公演

2022年6月25日

 上方伝統の芸能文化で次世代を担う中堅・若手が横断的に集まったユニット「霜(そう)乃会」が年1回の本公演を8月5、6日の両日、大阪・日本橋の国立文楽劇場小ホールで開く。

一緒に頑張ろうと気勢を上げる霜乃会のメンバーら=大阪市中央区の青山ビル

 2017年に講談師・旭堂南龍や能楽師・林本大(観世流シテ方)の呼びかけで、能楽師・今村哲朗(同)、落語家・桂紋四郎、浪曲師・京山幸太が芸談などの意見交流の場として定期的に食事会を行っていたことが始まり。その後、茶道裏千家・松井宗豊や文楽の竹本碩太夫(太夫)と鶴澤燕二郎(三味線方)も参加し19年から公演を開始。華道遠州流・芦田一坤が加わり現在は9人体制。

 今年のテーマは女性で、題して「婦女模様芸瓦版(おんなもようげいのかわらばん)」。男性ばかりの霜乃会メンバーが、それぞれの分野で「どのように女性が描かれてきたのか?」を考察しながら表現する。登場する女性の時代や身分をはじめ描き方も異なるが、1項目を15分程度にまとめて、全体を一つの物語とする語り部を幸太が担当。南龍は講談「一休禅師漫遊記」から武家娘の出自で遊女に落ちた地獄太夫を読む、碩太夫と燕二郎は素浄瑠璃で文「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」から姫戻りの段で恋人を追う女性ら複数を表現、今村と林本は能楽「羽衣」を謡(うたい)と能面衣装の舞で見せ、紋四郎は古典落語「宿替え」のしっかり女房をそれぞれ演じる。華道と茶道は、当日女性らしさの表現を工夫してみせることにしている。

 コロナ禍による入場制限も一段落し、再び有観客での公演実施に動き出したが紋四郎は「一度全てがリセットされた、と考えた方がよい。これから最初に戻って一から集客して行く覚悟が必要」と表情は厳しい。

 その背景として南龍は「動画に慣れ、自宅にいる事に慣れた層を“どうやって劇場に呼び戻すか?”は我々舞台人共通の課題。感触として、若い人は解き放たれて外出しているが、コロナ前のように“街をブラブラしてフラッと劇場をのぞく”という行動パターンの再構築はまだまだと感じている」と初心に戻って取り組む構え。


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