和泉市出身で今も大阪に暮らす演歌歌手、三門忠司がしみじみとした夫婦の情愛を歌った新曲「夫婦しぐれ」(テイチク)を出した。もともと独特の柔らかいタッチのこぶし回しで男の世界を描いてきたが、今回は昭和の夫婦愛を感じさせる内容。カップリング曲「おとこ契(ちぎ)り酒」は浪花節を基調とした三門節全開の出来栄え。近況を聞いた。
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こまやかな情愛を描いた「夫婦しぐれ」を歌う三門忠司=大阪市中央区西心斎橋 |
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三門忠司 |
昨秋出した新曲「峠の夕陽(ゆうひ)」を作曲してくれた三山敏が4月に87歳で死去。今回の新曲も当初作詞予定だった坂口照幸が3月に65歳の若さで急死。三門自身も生まれる前に父親が戦死し、母1人子1人の少年時代。一昨年デビュー40周年で亡き母の50回忌曲「あーちゃんの唄」でしのんだ。
大事な肉親や恩人を次々送る中で、自身も昨年末に早期の肺がんを治療。半世紀以上吸ったたばこをやめリハビリにも務め、幸いにも短期間でボイストレーニングを再開でき、「手術前は“最近、声にかすれが出ているな。もう年かな?”と感じていたんです。術後は声も若い頃に戻ってスムーズに発声できるように。“もう少し頑張れ”と天が励ましてくれているのかな?」とホッとした表情。
「三山先生にはお世話になりました。先生の曲はややキーが高いめ。僕が“先生、ここシンドイですわ”と訴えると、“忠さん、その高い部分でお客さんにお金を頂くんやで”とやんわりいなされました」と思い出を語る。
一方、坂口の急死はショックだったようで「作曲の宮下健治先生も驚かれ、いったん制作作業ストップ。宮下先生のご紹介で、久仁京介先生(2015年『独楽』=島津亜矢=で日本作詞大賞受賞)が僕に初めて詞を書いて下さることに。ところが、今年81歳の先生ですから“爪に火灯(とも)す 暮らしでも…”という表現がある。これがラジオ局の若いスタッフが分からない。僕の母はまさに爪に火を灯すような暮らしぶりで、紡績工場で女工として働き育ててもらった。ですからビックリです」と、平成を超え令和に入った時代感に戸惑う。
「僕にはコレしかない」という特徴ある歌唱力に「これからは1作ごと、さらに気持ちを込めファンに届けなくてはいけません。応援して下さる方がいて、CDを出して下さるレコード会社がある限り、丁寧に歌い続けていきます」と感謝の気持ちを表した。
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