あきない見聞録

木幡計器製作所

■代表者 木幡巌社長
■本社 大阪市大正区南恩加島5の8の6
■電話 06(6552)0545
■資本金 2500万円
2021年6月24日

「安心・安全届ける」 新製品 IoTセンサユニット「サルタ」

後付けIoTセンサユニット「Salta」(左)と「呼吸筋力測定器IOP−01」
木幡巌社長

 1909年創業の工業用圧力機器メーカーの老舗だ。当時、輸入に頼っていたブルドン管圧力計に注目した創業者が、家業の金物製造技術を応用して製作に成功。現在は、各種圧力計を中心に圧力計測技術を応用した幅広い計測制御機器を取り扱っている。

 「圧力計の基本構造は170年間変わっておらず、精度は高いが単価の安い製品が多い」(木幡巌社長)という構造的問題にどう対応するか。「お客さんは圧力の値を知りたいわけではなく、安全かどうかを判断する指標がほしい。安心・安全・信頼を届けることが仕事」という思いに至り、新製品、新分野への進出で道を開いた。

 発売前にもかかわらず、大企業も含めテスト導入の依頼が相次ぐ新製品が後付けIoTセンサユニット「Salta(サルタ)」。これまで目視で点検し、チェックシートに書き込んでいた作業が、センサーでデータを読み取り無線で送信できる。「点検作業に人手がかかる」「既設圧力計のままIoTを始めたい」といった顧客の声に応えて製品化した。

 既設の計器の表面に付けるだけで簡単に設置でき、「データを集めて保存、見える化」。クラウドサービスにも自社運用のオンプレミスにも対応可能で、巡回点検ではモバイル端末にデータを自動送信できる。

 サルタの名称は、計器に付けた状態が高い鼻のように見えることから、「みちひらき」の神、安全の神としてあがめられ、高い鼻が特徴の猿田彦大神からの発想で、猿田彦神社(三重県)の了解も得たという。

 発売前から引き合いが相次ぐのは、新型コロナウイルス禍が追い風になっている面もある。メンテナンス人材の高齢化が進む中で、緊急事態宣言などで外出に制限がかかり、設備保全に人手のかからない同製品のニーズが高まっている。

 顧客の声に応える力や新分野進出の土台になっているのが「ユーザー目線に立って課題を解決するために、得意分野を生かす」連携で、中小企業同士はもちろん、医工連携にも力を入れる。

 国立国際医療研究センター(東京都)との共同で、呼吸筋力の測定ができる「呼吸筋力測定器」を開発。2018年7月に医療機器の製品認証を取得し、同年11月から「呼吸筋力測定器IOP−01」の販売を開始した。携帯型の単機能測定器としては国内初機種で、単3乾電池2本で駆動する。小型軽量のためベッドサイドでも利用できるなど、医療機関のニーズに応じた製品となった。



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