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瓶を洗う洗瓶機。1時間に6千本洗うことが可能で、洗浄された瓶を検査して再利用する(能勢酒造提供) |
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子安丈士社長 |
能勢酒造は「桜川の名水」と「理想の泡」という資産を活用し、「ノセミネ」の愛称で親しまれているミネラルウオーター、有名バーにも好評な炭酸水「能勢ソーダ」、「桜川サイダー」などの優しく柔らかい味わいのサイダーを中心に、本物と多様性の両立を目指し、独自の商品を展開している。
同社の原水は、大阪府能勢町の釈迦ケ岳(標高512メートル)から湧き出る桜川の銘水。1712年に酒造業として創業し、1968年にミネラルウオーターの製造を開始、73年から炭酸飲料も手掛けるようになった。
「ノセミネ」は良質な花こう岩をくぐりもたらされる銘水を使用。ほのかな甘みを含み、「水割りに利用するとウイスキーの角が取れてまろやかになる」。「能勢ソーダ」は「理想の泡」を追求して生まれた上質の炭酸水。「口の中でゆっくりとはじける繊細な泡がハイボールの味わいを深く引き立てる」という。
サイダーは能勢の炭酸水をベースに、果汁などさまざまな原料の調合に取り組み、新しい味を追求している。
例えば、昨年6月に発売した商品は、桜川の銘水と大阪府和泉市の「いずみ小川(こがわ)いちご農園」のいちごを使った地サイダー「農家応援 大阪いちごサイダー」。新型コロナウイルス禍で農産物の販売が落ち込む中、新たな出荷先を探していた同農園が、大阪府が農林漁業者の情報を集約している「大阪産(もん)エールサイト」を活用して情報発信。販売先を飲食店中心から脱却し、店頭販売や相手先ブランドによる生産(OEM)事業の比重を高めようとしていた同社が生産者支援の一環として、地サイダーを製造することになった。
OEM事業としても、箕面市のユズに着目して地域のブランディングを図った「箕面の柚サイダー」のほか、奈良県のハチミツ、岡山県のハッカ、徳島県のすだちなど多数の実績がある。
リターナブル瓶の普及活動など、社会的責任(CSR)活動にも注力。洗瓶機を持ち、瓶の回収、洗瓶、充填(じゅうてん)、出荷の全工程を自社で行っている。2008年には「容器包装3R推進 環境大臣賞 製品部門最優秀賞」を受賞。子安丈士社長は「瓶を洗ってもう一回使えば、環境への負荷はゼロに近い。瓶の価値をどう伝えるかが課題」と話す。
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