あきない見聞録

堀富商工

■代表者  堀畑敏一社長
■本社工場 堺市西区浜寺石津町東3の5の23
■資本金  3460万円
2021年9月23日

災害用給水タンク開発 二連水栓効率的に、ラックや簡易浴槽にも

簡易浴槽としても使用できる災害用給水タンク「ホリフトウオーター」(堀富商工提供)
堀畑敏一社長

 産業用包装資材の製造販売会社で、「織ると塗る」を核の技術として事業領域を拡大してきた。創業は1885年、麻袋、鉄を帯状に長く薄く圧延した帯鉄などの販売を開始し、27年には堺緞(だん)通の製織販売を始めている。現在は防水紙、防さび紙などの加工紙、自動結束装置や自動梱包(こんぽう)機などの機械関連、繊維梱包やフィルムなどの化成品と幅広く事業展開している。

 時代の変化に対応して顧客ニーズをつかみ、新製品の開発に取り組んできた一方で、堀畑社長が「変えてはいけないもの」として守るのが創業者から引き継ぐ企業理念「信義、誠実、共栄」。「仕入れ先や取引先に対しても、社員に対しても、常に信義を重んじ、誠実な態度で接し、共に栄えることが大切」と説く。

 同社の地域社会に対する姿勢も同様で、社会貢献として本社のある堺市に老人ホームや幼稚園を寄贈してきた。2011年の東日本大震災では福島県いわき市の工場が被災。1カ月間の断水を経験したことから、地域全体のライフラインを強化する災害用給水タンク「ホリフトウオーター」を開発した。

 大規模災害の場合、給水箇所が広域で給水車は個々の容器ごとに給水するために時間がかかる。ホリフトウオーターを使用すれば、給水車はタンクへ水をため次第、次のスポットに移動が可能。近隣の人の個別容器には、設置されたホリフトウオーターの二連水栓から効率的に給水を行う。

 折り畳み式で場所をとらず、5分で組み立てられる上、1トンの貯水が可能なため、給水車から直接水を入れ、効率良く個別給水できる。使用後は、内袋のみの処分で洗浄は不要。支援物資の仕分け用のラックや簡易浴槽としても使用できる。熊本大地震や広島尾道水害、熱海土砂災害などでの断水地域の応急給水に使用された。

 堀畑社長は「社会の変化の激しい時代、従業員が一致団結して動くことが大事」として年3回、社員一人一人と向き合う個別面談を実施している。

 東日本大震災の際には被災地の社員宅を回り、希望する人には大阪府内のアパートを用意。その後、被災地の給水支援活動に社員一丸となって取り組むようになる。被災経験と支援活動の中で聞いた被災者の声から、ホリフトウオーターの大小二つの二連水栓や仕分けラック、浴槽としての活用方法が生まれた。



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