あきない見聞録

プレイン

■代表者
 福島有二社長
■住 所
 茨木市元町1−9
■電 話
 072(668)6860
2021年12月9日

ケアラーの働き方へ一石 新しい福利厚生を導入

認知機能トレーニングの様子(プレイン提供)
福島有二社長

 知的・発達障害児専門のリハビリテーション施設を運営する「プレイン」(茨木市)は、家族の看病や世話をする無償介護者、いわゆるケアラーに相当する社員を念頭に、働きやすい職場環境を組織ぐるみで整備する「ケアラーコンシェルジュ制度」を導入した。福利厚生の一環で、高齢者だけでなく障害のある家族を世話する人に特化した先駆的な取り組みだ。モデルケースを築き上げ、「ケアラーが日本一活躍できる会社」を目指している。

 同社は脳の状態や発達状況に応じ、与える刺激の質量を制御したりする行動療法で脳機能を高める「脳神経リハビリセンター」と、治療的支援と運動を組み合わせて療育する「認知機能トレーニングジム」を茨木市と大阪市の計3カ所で開設。視覚や手先を使ったり、全身運動をしたり、行動心理学や応用分析学を取り入れた“医療行動教育”が身上で、「リハビリを通じて“寛解”に近付けていく」(福島有二社長)手法を採用している。

 教室には、自閉症や強度行動障害などさまざまな事情を抱える子どもたち約200人が通っており、これらの施設で活躍するのが教育や保育を専門的に学んだスタッフら。平均年齢27歳という約30人のうち半数がケアラーで、これまで個別対応していた事例を社内制度として確立した形だ。

 新制度では働く当事者の意向を聞き取った上で対応方針を計画し、組織全体で実践。社内で対応できない場合は、社外で対応できる人につなぐという一連の手順を準備する。過去には社員の子どもの聴覚障害への対応が円滑に進んだり、うつ病を患う同居人が快方に向かったりと好例をヒントにした。不慮の事故や体調不良の際に駆け付けられるよう、年間10日間の有給休暇も設ける。

 大阪府教育委員会が1日に発表した実態調査では、府立高に通う生徒の6・5%が「ヤングケアラー」であることが分かった。同様の全国調査では中学生で同程度の割合が該当することも判明。折しもヤングケアラーは2021年の流行語になるなどスポットが当たるさなかだ。

 同社は、きょうだいを介護するケアラーへの支援を特に重視する。親や友人には悩みを打ち明けづらく、自身のキャリアを犠牲にしやすい傾向があるためだ。福島社長自身、重度の発達障害がある4歳上の兄を支えるヤングケアラーだったことが原点で、「他社から参考にしてもらえる形までつながれば、僕らが取り組んだ意義がある。制度の形にして発信していきたい」と展望している。



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