あきない見聞録

サンワード

■代表者 池田 智幸
■住 所 大阪市天王寺区生玉町2―3
■電 話 06(6773)3010
■資本金 1000万円
2022年4月28日

地下鉄車両廃材でかばん アップサイクル積極展開

滋賀県野洲市の自社工場でミシンをかけるスタッフら
地下鉄車両の廃材を活用した8路線カラー展開のかばん
池田智幸代表

 滋賀県野洲市に自社工場を持ち、大阪本社にサンプル職人やデザイナーを抱えるかばん、袋物の縫製メーカー。自社ブランドで、廃材を活用する「アップサイクル」にも積極的に取り組む。今年3月には大阪メトロと連携し、地下鉄車両の廃材を使った「『ハイテツ』カバン」を発表。地球環境に対する配慮だけでなく、デザイン性の高さや使い勝手の良さからも注目を集める。

 事業のメインはOEM(相手先ブランドによる生産)。縫製メーカーの強みを生かして自分たちでも「社会の役に立つ」商品を作ろうと約10年前に自社工場を立ち上げ、オリジナル商品の開発にも力を入れてきた。

 第1弾として、規格外で産業廃棄物として捨てられる消防用ホースを、丈夫で色鮮やかなかばんにアップサイクル。ペットボトルのリサイクル素材を使用した商品や、障害のある人らとの共同企画商品もブランドの大きな柱になっている。

 「ハイテツ−」は、大阪メトロが廃車車両の部品を商品化する再生プロジェクトの一環。商品化案が採用され、昨夏から本格的に製作してきた。「つり輪は、握るのに理想的な形状で、以前からかばんに使いたかったが、部品の調達などが難しかった」と池田智幸代表。念願の「つり輪」はかばんの持ち手などに、車両連結部の「貫通幌(ほろ)」も丈夫さを生かし底生地などに採用し、ショルダーバッグとトートバッグを完成させた。

 それぞれ1号線・御堂筋線(赤色)から8号線・今里筋線(オレンジ色)まで8路線の8色展開。切符をモチーフにした下げ札を付けるなど、スタッフらの出し合ったアイデアが随所にちりばめられている。

 今年3月に大阪市内で先行販売会を開き、鉄道ファンを中心に府外からも購入希望者が訪れた。特に赤色が人気で、普段使う路線に合わせた色を選ぶ人も。大阪メトロの公式オンラインショップでも取り扱っているが、初期ロットは「ほぼ完売状態」という。

 池田代表は「会社の理念として皆さんが笑顔になるようなもの作りがしたいというのがあって、鉄道の材料を使うことで催事でも楽しんでいただけた」と大きな手応えをつかんだ。

 今回のコラボレーションをきっかけに、さまざまな業界からアップサイクルの相談が寄せられている。「アップサイクルの動きが加速するのはうれしいことで、要望に応えられるよう引き続き環境に配慮したもの作りを進めたい」と話した。



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