金井啓子の伴走で伴奏

票を投じたくない基準とは

2022年6月27日

夏の参院選がスタート

 参院選がスタートした。各陣営の候補者は梅雨空の下、自分自身と公約を一生懸命アピールしている。

 候補者たちが必死になって選挙戦に臨むように、貴重な1票を持つ私たち有権者も真剣に選挙の行方を考えなければならない。誰に投票すればいいのか、どの党を推すべきなのか。特に無党派層にとっては、投票する候補者や政党を絞り込むのが難しい。

 それならばと、この難問を逆に考えてみた。つまり「誰に投票してはいけないか」である。「この人だけは政治家にしてはいけない」といった候補者も中にはいると思うからだ。

 もっとも、神ではない私たちが政治家のダメさに気がつくのは不祥事などが発覚した後である。メディアが不祥事を報道した後に、国民は事実関係や政治家の裏の顔を知る。当たり前だが、政治家の不祥事など事前にはわかるはずもない。わかっていたら選挙で確実に落選するだろう。しかし、報道で事後に政治家の本当の姿を知っても、それでは遅すぎる。候補者のプロフィルを読んだところで政治家にふさわしくない人などわからない。候補者が当選して政治家になった後、「票を入れなければよかった」と後悔してしまうものだ。

 そこで私の場合だが、この人物だけは政治家にしてはいけないという最低限の基準がある。候補者が元政治家ならば、過去の言動に問題はなかったか、政治的なトラブルを起こすようなまねはしなかったか、ここをチェックすることである。例えば些細(ささい)であっても金銭的なトラブルを起こした人物は、また同じミスを繰り返す可能性がある。私は、その手の人物に票を入れることはない。

 また、候補者たちがツイッターなどのSNSをしていれば、彼らの書き込みを詳しく検証することをお勧めする。傲慢(ごうまん)な人物は、普段の書き込みにもどこか傲慢な雰囲気を出すものだ。批判されたら、合理的な理由も説明もなくブロックするような人物も要注意。人の意見に耳を貸さない閉鎖的な姿が垣間見えるからである。

 もちろん、これらは一例にすぎない。他にも投票にふさわしくない基準はある。誰に投票するかを悩むより、誰を当選させないかを考えるほうが、まだ簡単ではないか。

 参院選の投開票まで2週間弱。「こんなはずではなかった」と、選挙後に後悔するような投票だけは避けたいものである。

 (近畿大学総合社会学部教授)



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