鉄道沿線ぶらり旅

 新大阪駅−久宝寺間を結ぶJRおおさか東線が16日、全線開通から1年を迎える。北区間に誕生した4つの新駅も同じく1年がたつ。地域住民の利便性の向上、そして新たな人の流れが生まれることが期待された各駅周辺の町の今を見つめながら、ぶらり歩く。

JRおおさか東線 JR野江駅

2020年3月22日

コロナ禍の終息を願う 厄除開運の野江水神社

水の神様で知られる「野江水神社」。水道工事関係者やお風呂屋さん、水商売の人たちからの信仰もあつい

 JR新大阪駅から初めておおさか東線に乗車。車窓からの風景をぼんやり眺めながら三つ駅を過ぎ、まだ真新しさが残るJR野江駅のホームに降り立った。

 改札を通り抜けると右が「成育口」で左が「野江口」の案内。まずは成育口に。京阪「野江」駅は目と鼻の先。今年、創立70周年を迎える大阪市立成育小学校は休校で、校舎から子どもたちの元気な声は聞こえてこない。

 寂しく思いながら視線を上げると、「劇団未来」の劇団員募集の看板が目に入る。同劇団は1962(昭和37)年に旗揚げし、この地に腰を据えて30年になる大阪の老舗劇団。事務局長で代表代行の藤岡英幸さん(74)が「新大阪から来るのには便利になった」と教えてくれた。

 残念ながら今月6〜8日に予定していた公演は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、会場にセットを運ぶ直前になって中止が決定。「昨年11月から稽古をやってきたのにね」と藤岡さんは視線を落とす。今後は6月26日から「劇団未来ワークスタジオ」(城東区成育1の4の25)で行う公演に向けて準備を進めていく。

 劇団未来のスタジオを後にして、再びJR野江駅に戻り次は野江口方面へ。目指すは大阪メトロ谷町線「野江内代(のえうちんだい)」駅の隣にある野江水神社だ。同神社は水波女大神(みずはのめのおおかみ)を祭神とし、水火除難の守護神として知られ、水の神様の神力で「水の力で厄を洗い流す」厄除開運の神様でもある。同神社の川端政行宮司(56)は「このあたりは昔からの地の人たちが多く住んでいる地域。JR、京阪、地下鉄と便利になっても、人の心は変わらないですね」と話してくれた。

 しばらくは続くであろうコロナ禍の騒がしさ。なんとか水で流してくれないだろうか。水の神様に手を合わせ、夕暮れ時の風の冷たさに肩をすくめて鳥居をくぐった。



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