にちにち動物百科

 動物園はワンダーランド。ライオン、キリン、チンパンジー…。大阪市天王寺区にある天王寺動物園は、都会の真ん中でありながら、非日常の世界が広がります。のんびりさんだったり、怒りんぼうだったり。私たちがそうであるように、動物たちも見ているだけでは分からない愛くるしい一面があります。飼育員だから知っている動物たちの性格や食事、クスリと笑えるエピソードも交えて紹介します。

☆17 カリフォルニアアシカ 

2019年8月15日

愛らしい姿に癒やしも

生まれたばかりの赤ちゃんは、母親の愛情を受けて育っています(海遊館提供)
握手などの「トレーニング」は、健康チェックに欠かせません
追いかけっこをするように泳ぐカリフォルニアアシカ

 大阪市港区の海遊館に暮らすカリフォルニアアシカに7月12日、雌の赤ちゃんが生まれました。仲間と一緒に泳いだり、母親が赤ちゃんをあやす愛らしい姿を見ることができます。

 1990年の開館当初から、アシカたちは海遊館で飼育されています。米国カリフォルニア沿岸の岩場を再現した、水深8メートルのモンタレー湾水槽で、アシカたちはゴマフアザラシと一緒に展示されています。

■餌は大切な時間

 アシカは水中を優雅に泳ぐだけでなく、陸上も機敏に動きます。好奇心旺盛で、ガラス面のぎりぎりまで寄ってきてのぞき込んだり、来館者の動きに合わせて泳いだりします。

 餌は1日3回、サバやホッケ、シシャモ、アジなど、個体によって4キロ〜10キロ食べます。餌の時間が近づくと、岩場の周りをソワソワした様子で泳ぎ回ります。実は、餌やりは健康管理に欠かせない時間だといいます。

 餌の時間は、飼育員と握手したり、ボール遊びをする様子が見られます。「芸」をしているように見えますが、「トレーニング」と呼ばれ、握手をして前足にけががないかチェックしたり、外敵がいない水槽内の暮らしに、ボールで遊ぶことで刺激を与えます。健やかな生活を目指すトレーニングは、楽しい時間でありながら、気が抜けない時間でもあります。

■違いも見てね

 モンタレー湾水槽にいるゴマフアザラシとの共同生活は、アシカとアザラシの違いを知ることもできます。

 アシカは泳ぐ時、大きなひれ状になっている前足を使って泳ぎます。アザラシは後ろ足の力で泳いでいます。アシカは水面と水中を行ったり来たりしますが、アザラシは底を泳ぐことが多く、長い時は20分程度潜っています。

 外見にも違いがあります。アシカの耳には耳たぶがあり、アザラシは穴が開いているだけです。

 アシカの赤ちゃんは約1年間、母乳で育ちます。母親のアスカは2回目の出産で、今回は離れて過ごすことが多いですが、赤ちゃんの様子はいつも気に掛けています。すくすく育つように見守ってあげてください。

【カリフォルニアアシカ】 食肉目アシカ科。北太平洋東岸のみに生息。発達した四肢は、水中だけでなく陸上歩行にも役立っている。雄は体長約2メートル、体重約300キロに成長する。


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