大森均の釣れ釣れ草

103センチクエ仕留める!

長崎県五島市福江島大瀬崎沖にて
2019年11月1日
先週のカマス釣り大会に夫婦で仕事を休んで参加した越首ファミリー
聖児郎さんの軍門に下った巨大クエ

 先週、五島の「子供カマス釣り大会」の記事を書いたが、その取材時、現地の顔見知りに「大きい魚釣れたら、電話してや」と頼んでおいた。大阪に帰って2日後、「釣れました!アラ21・3キロやりました!」と早速連絡があった。標準和名クエのことを五島ではアラと呼んでいる。魚の呼び名において、アジやサバのような大衆魚は広範囲に同じ名で呼ばれているが、希少種ほど地方では異なった呼び名で呼ばれることが多い。とにかく、クエの21キロを釣った、と言う。

 この主人公は、このコラムにも度々登場する五島玉之浦、「翔龍丸」越首伸之介船長の弟、聖児郎さん。また、「子供カマス釣り大会」の記事の中で、子供1人に大人1人の保護者の付き添いが参加条件で夫婦が仕事を休んで娘2人の参加をかなえた家族もあったと書いたが、その家族こそ聖児郎さんファミリーのことだ。

▽頑丈、太仕掛け

 10月22日深夜11時、聖児郎さんは漆黒の闇のなか港を出た。アラ釣りは、まずエサのアオリイカを確保することが釣果に直結する。アジ、サバ、カツオなどもエサにはなるが、生きて泳いでいるアオリイカにはかなわない。30パイのアオリイカを2時間かけて確保し、大瀬崎の沖合にある「曽根」という漁礁で午前2時ごろに仕掛けを降ろした。

 仕掛けと言っても普通の釣りの概念を超える頑丈なもので、なんとハリスが50号。ちなみにグレ釣りのハリスは2号、メジロやブリでも8号あれば取れる。針はクエ針の35号というから、ハリスと同じ基準を当てはめると、グレなら6号、メジロやブリでもせいぜい14号というところ。ほとんどの釣り人はこの太いハリス、これほど大きな針はお目にかかったことはないはず。しかし、この単純な数字の違いからもいかに頑丈、太仕掛けで魚と格闘に挑むかそれとなく想像がつく。

▽強烈な締め込み

 折からの雨に加えて波も高い。雨とシブキで下着までずぶぬれになりながらも5時間余り粘ったらしい。しかし、辛抱も限界に来て、帰ろうと思ったその時だった。

 「仕掛けが着底して、すぐに根掛かりか?と思うような手繰ってもビクともしない手応えがありました。『何かついてる!』と感じましたので、さらに手繰ると、糸を持つ手がいきなり船の外に放り出されるように強烈な締め込みを食らいました。尻もちをつくように座り込んでやりとりをしましたが、この時点ではてっきりサメと思い込んでいました。敵は何度も逸走を繰り返し、5分か10分ほどやりとりをしていたでしょうか。近くにいた仲間の船が気づいて、『落ち着け!ゆっくり上げろ!』と、応援のエールをくれますが、もう必死でその言葉以外は覚えていません。しばらくして、水面下に魚体が反転し、白い腹が見えた時『ウワッー!』と思わず大声で叫んでしまいました。無事、ギャフで船内に引きずり上げていけすに悠然と泳ぐアラを10分ほど見つめていましたが、その間、足がブルブル震えていました」と、電話の向こうから聖児郎さんの興奮が伝わった。

 ここで普通は帰港となるはずである。「アラはペアでいることがあるため、それから2時間頑張りました。粘っただけ無駄でしたが…」と、驚きの一言。

 この記念すべき1尾は、帰港して検量すると1メートル3センチ21・3キロあったという。“狂”の付く筋金入りの釣り好き兄弟とはいえ、これは弟の方がより重症かも。

週末のイチオシ気配

■船(1)■石鏡・三重

 ウタセマダイ引き続き絶好調。29日半夜、上の島でマダイ26〜47センチ33尾とメジロ3尾、ハマチ4尾が竿頭。要予約。▽幸徳丸=電話0599(32)5604

■船(2)■東二見・兵庫

 秋タコ堅調。連日、マダコ0.3〜1.5キロ20〜30パイ。潮により呑ませのハマチなどに対象を変えるので要確認。要予約。▽西海丸=電話078(942)6480

■船(3)■泉佐野・大阪

 潮回りから今週末タチウオ上昇気配。神戸沖または淡路沖に出て80〜105センチ10〜20尾期待できる。タチウオテンヤ40号使用。要予約。▽海新丸=電話0724(69)2332

■磯(1)■大引・和歌山

 カゴ釣りでイサギ期待。ヒジキ、アシカの親などで同魚30〜40センチ10〜20尾見込める。30日、アシカの親で同魚30〜42センチ19尾。▽村井渡船=電話0738(65)1041

■磯(2)■串本大島・和歌山

 ホンダワラのエサでイガミが狙い目。ヒラシマやグヤシマでイガミ25〜45センチ10〜20尾。青物の回遊も期待できそう。▽芝渡船=電話0735(65)0811

■筏■本浦・三重

 チヌ堅調。筏で同魚30〜50センチ5〜10尾。エサはシラサエビ。エサ盗りの状況はアイゴ、アジが活発。他にフグ、ヘダイ、チャリコなど。▽やま栄渡船=電話0599(32)6009

■波止■武庫川一文字・兵庫

 タチウオ引き釣り好調。3〜6番で半夜のタチウオ80〜100センチ5〜10尾。29日半夜、5番で引き釣り同魚85〜110センチ11尾。他にフカセ釣りでチヌ30〜50センチ10〜20尾。▽武庫川渡船=電話06(6430)6519

■投げ(1)■垂水西舞子海岸・兵庫

 20〜30センチのマコガレイが主体であろうが、40センチ級の一発が期待できる。まだエサ取りも多いので、仕掛けのこまめな点検を。▽まるは垂水店=電話078(705)0841

■投げ(2)■妻鹿・姫路

 7番ケーソン側でカレイ25〜30センチ1〜2尾。投点は30〜70メートルの間。キス20〜22センチが3〜10尾交じる。これからの時期はアイナメの良型も増えてくる。▽日の出渡船=電話0792(46)3030

 (大阪日日APG 松田勝也)



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