大森均の釣れ釣れ草

夏休みの思い出

2020年8月14日
ありし日の今井一さんの釣り姿

 少年時代の釣りの思い出は、不思議なことに季節はいつも夏休みのころだ。現在、淀川に架かっている豊里大橋が完成する50年前までは、江戸時代からこの川に残っていた最後の渡しとして、「平田の渡し」が300年もの間、庶民の足を支えた。

 当時、その「平田の渡し」の上流と下流に「ケロップ」と呼ばれる、川の流心に向かって岸と垂直に30メートルほど伸びた石積みの低い防波堤のようなものがあった。数人の客が自転車を支えながら対岸に行く渡し船の横で、そのケロップの先端でひざまで水に入ってフナやコイを釣ることが、近所の悪ガキ仲間の夏休みの楽しみだった。

 川砂を運ぶ運搬船が通過すると、半ズボンの途中まで波をかぶることもあり、小学生の遊びとすれば危険なものであったかもしれない。しかし、おおらかな時代だった。学校も親も、また、その光景を目にする大人たちもとがめる人はいない。少年の姿が、自分のことでなく、映像で見た別の世界のようによみがえってくる。

▽雷魚釣り

 工大裏の城北ワンドで、雷魚釣りに夢中になって連日出かけた場面が次に巡る。「雷魚釣りは上手やなぁ」と言われるほど、なぜか私にばかり偏った釣果がもたらされるため、あの気味の悪い蛇のような顔つきと体の模様もいつの間にか愛らしく感じられた。

 雷魚は、夏になると2〜3センチの幼魚を帯同して水面近くに浮いてくる。それを見つければ、もう釣ったようなものだ。カエルをエサに鼻面近くでパシャ、パシャ暴れているように演出すれば、襲い掛かるようにガバッ!と一気に食いついてくる。

 ある日、食いついた魚の大きさに腰を抜かすほど驚いた。1メートルはあろうかという大物で、小学生のお小遣いで買った大切な釣り竿(ざお)は、中ほどからボキッとへし折られてしまった。取り逃がしたことは、雷魚釣りはうまいと評価されている私にとっては、自尊心を傷付けられる出来事だった。

▽本格的な釣り

 この情景を思い浮かべると、不思議に次の連鎖は母の郷里で過ごした夏休みの釣りの場面になる。夏休みに茨城に行く大きな楽しみのひとつは、最初の私の師匠「今井のおじさん」に本格的な釣りを教えてもらうことだった。

 ある年は、ヤマベ(ハエ)釣りに久慈川の清流に行った。マキエをすると浅い川底で無数のヤマベが反転してキラキラ光って見えた。この魚を今井さんのお宅で唐揚げにして、フーフー言いながら?張った時のおいしさを鮮明に覚えている。

 次の年に東海村の砂浜でイシモチ釣りに行ったことが、初めての夜釣りの経験だった。そんな釣行の際、釣りの科学を分かりやすく教えてくれた。その半面、釣りの弁当に梅干しはいけない「素で帰る」と、縁起を担ぐようなところがあった。

 しかし、残念なことに師匠は、39歳の若さで病に倒れた。私が釣りに傾斜するほど、この師匠ともう一度釣りに行ってみたかったという気持ちが募るのは、父親に「上手になった」と褒めてもらいたい子どもの心境に似ているのかもしれない。

週末のイチオシ気配

■船(1)■田辺・和歌山

 アカイカ上昇。半夜で10〜25センチ40〜50パイ連日釣れ続く。3日、同魚10〜25センチ52ハイ。イカメタル使用。要予約。▽海凰丸=電話090 (6242) 8507

■船(2)■若狭本郷・福井

 キス本格化。連日、同魚12〜23センチが平均50尾釣れている。5日、船中4人で214尾。トップ64尾。エサは石ゴカイ。▽はやし渡船=電話0770(77)0591

■船(3)■東二見・明石

 そろそろ終盤。いっそう型が大きくなった。連日0.4〜2.5キロ30〜40パイが竿頭。タコエギ使用、オモリ50号。要予約。▽西海丸=電話078(942)6480

■船(4)■鷹巣・福井

 玄達瀬でヒラマサ堅調。同魚50〜80センチ5〜10尾とマダイ35〜80センチ1〜3尾、グレ35〜50センチ2〜5尾など魚種多彩。要予約。▽アラタニ釣具店=電話0776(85)1604

■船(5)■小島・大阪

 お待ちかね淡路沖でタチウオ釣れ出す。5日、同魚75〜105センチ22尾が竿頭。タチウオテンヤ40号。要予約。▽恵比須丸=電話072(495)0591

■磯(1)■切目崎・和歌山

 底物期待。例年、この時期にイシダイ、イシガキダイ複数尾上がる。エサはウニ。アタリ頻繁。▽庄門丸=電話0738(43)0517

■磯(2)■尾鷲・三重

 半夜でグレ期待。グレ35〜45センチ3〜5尾は期待できそう。特に中潮・大潮の込み潮が期待できる。▽宮城野渡船=電話0597(2)1347

■筏■衣奈・和歌山

 連日、チヌ45センチまでがコンスタントに姿を見せるようになった。5日、波止前筏で32〜40センチ3尾。エサは丸貝とサナギ。▽中長渡船=電話0738(66)0657

■波止■大阪湾全域

 大阪湾全域でチヌ好調維持。35〜50センチが5〜10尾前後見込める。カニ使いの落とし込み、エビ撒き釣り、オキアミのフカセ釣りともに好釣果続出。▽武庫川渡船=電話06(6430)6519▽ヤザワ渡船=電話06(6573)7712

 (大阪日日APG 清水智之)



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